木々に囲まれた透析クリニック

2月も終わりに近付き春めいた陽気になってきました。昨年の今頃は50cm近い雪に埋もれていたクリニック中庭も、今年は程よい雪景色です（笑）写真は2月初旬の頃、今はほとんど雪がなくなりました。





既に水仙の葉が地表に直立し、蕾もほのかに色づいてきました。





昨年植えたスノードロップも顔を覗かせています。




花木の芽も少しずつ膨らみ良い季節の到来を告げているようです。写真は庭で最も早く咲き始めるサンシュユ。


今週は定期検査の結果説明の週、回診時にお一人ずつ栄養状態、蛋白摂取量、血糖コントロール、電解質バランス、貧血の状態を説明します。その上で食事での留意点、内服薬や透析条件の変更点をなるべく専門用語を使わずにお話しします。回診後は看護師が数ヶ月分の検査結果をプリントした紙を元に更に説明を加えます。私に直接聞きにくいことも看護師とならばざっくばらんに話せるようで、異なる職種による説明の繰り返しは自身の状態の理解や解決法の模索に役立っている様子です。スタッフもデータ解釈の勉強になり、患者さんが直面する問題点を把握する場にもなるため良い効果が期待出来ます。

後は週末にかけて残薬の有無を確認し、来週の定期処方の入力です。当クリニックでは内服がしっかり出来ているか確認しつつ、無駄な処方を減らす目的で残薬の状態を把握し、余剰分を勘案して定期処方に反映する作業を毎月行っています。効果は微々たるものかもしれませんが、社会保障財源が乏しい現状で少しでも無駄を無くし限られた財源の有効利用に協力したいと考えています。



今月の管理指標の達成度です。


隔月測定のi-PTHおよびβ2MGは更新されていませんが、他の数字は概ね先月同様の水準を維持しています。造血ホルモンであるESAの一週間あたりの使用量は3000単位台前半まで減少しましたが、貧血の指標であるヘモグロビン(Hb)値は維持出来ています。超純水を使用するオンラインHDFを行っている事や鉄欠乏の積極的な補正も貧血の是正とESA投与量の減少に寄与していると思われますが、栄養状態の改善も重要なポイントの一つと考えます。今月は栄養状態の指標である血液中のアルブミン値が初めて3.9g/dl台に到達しました。原理的に蛋白漏出量が多くなるHDFで、高血流・高効率の治療を行っているにもかかわらず血液中のアルブミンが低下しないのは、それだけ十分な栄養が摂れていることを示唆します。患者さんの中には転院時血清アルブミンが1.8g/dlとかなり低かったものが徐々に回復し今月3.7g/dlに到達した例もあります。日常生活でも骨折による筋力低下で寝返りも十分に出来なかった状態から、地道にリハビリを行い短時間ながらつかまり立ちが出来るまで回復しています。しっかり透析をすること、しっかり栄養を取ること、可能な範囲で運動をすることで元気に通える透析を続けることが大切です。




農園をされている患者さんが出荷出来ない規格外のリンゴを持ってきてくれました。えさの少ないこの時期、鳥がやってきて完食してゆきます。





ある患者さん曰くこの鳥は「ツグミ」昔々は霞網で捕獲して食すると結構美味しかったそうです（注：今は法律で禁止されています！）






今月も当院「美術監督」K女史の仕事が冴えています！




来月前半にある予定が入り、業務全般の見直しと点検を行っております。なかなか時間が取れないため今月のブログは縮小バージョンです（汗）詳細はまた来月に。


須坂 腎・透析クリニック