迷走する台風と

Kidney

2016年08月29日 17:35


コムラサキの実、色付きはじめのグラデーションです。毎年コムラサキを撮る度に陳腐でありきたりの「絵」になってしまい、少しばかり不満を持っていたのですが、今年は色付き方の微妙な案配で変化球としてみました。まだまだ暑い日が続き季節の変わり目はまだ遥か先に思えますが、自然はその微妙な変化を今のうちから教えてくれているのかもしれません。


変化球と言えば今年の台風は例年にない針路で北海道や関東に随分と影響を与えています。幸い長野県北部では大きな影響は出ていませんが夕方以降に急な天候変化のある日が多く、ロードワークに出掛けようかジムでトレッドミルの上を走ろうか、気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」と睨めっこをする機会が断然多くなりました。






芽吹きの時期にアブラムシが発生し出鼻をくじかれた百日紅ですが、害虫にもめげず無事花を付けました。





勢い余ってか根元のひこばえも開花しました。ひこばえは主幹の樹勢を弱めるため早めに処理する必要があるのですが、せっかく咲いたのでもう少しだけこのままにしておきます。






5月頃開花したゲンペイボクがまだ花を付けています。赤紫色のガクの色付きが深くなり、そろそろ花も終焉となります。




さて、一部の週刊誌で「飲み続けてはいけない薬」などと題した医療批判報道が行われていますが、500名を超える現役医師にこれらの「医療批判記事が診療現場に与えた影響」を調査したところ、約3割が「影響が出ている」と答えたとのことです。どんなことが書いてあるのか一度読みましたが、リスクのみを強調して不安を煽るような書き方であり、正直週刊誌の「質」とはこの程度のものなのかと驚いてしまいました。専門分野であればいい加減な記事と判断出来ますが、あまり基礎知識の無い方面であれば鵜呑みにしてしまう可能性もあり、情報収集における情報源の大切さを再認識しました。

話は変わり、情報源としてのインターネットのあり方を考えると、これ程に玉石混淆で種々雑多な情報にあふれているソースは他に見当たりません。それがネットの特徴でもあり限界でもあります。簡単にアクセスが可能で便利な反面、情報の受け手がきちんと吟味しないと質の悪い情報に汚染されてしまう危険性があります。

今回クリニックの増設工事で下水使用許可を市役所に求めた際に、透析排水は酸性度が強いからサンプルを取って分析結果を提出するように求められました。交渉に行った担当者の説明によると、市の担当者はネットで情報を検索してそれを根拠に分析を求めた様です。公共財産である下水道施設を使用するに当たって必要ならばpH調整槽や稀釈槽を整備することはやぶさかではありませんが、分析費用だけならまだしも工事費用は相応な額となります。必要性を客観的に説明していただかないと納得は出来ません。はたしてネット以外の客観的な根拠をご提示いただけるか注視しているところです。





今月の治療指標です。






夏本番となり血清アルブミン値や蛋白質摂取の指標nPCRが若干低下傾向です。回診でも食欲低下を訴える方が多く、一方であっさりした食品を求めるためか血清Kの高い方が普段よりも多かった印象です。夏野菜や果物の美味しい季節ですが摂り過ぎは要注意です。蒸し鶏や豚肉の冷しゃぶをビネガー&スパイス&オリーブオイルでいただくなど、暑い時期でも工夫して蛋白質を摂るようにお勧めしています。






増築工事も順調に進み基礎の上に鉄骨が立ちました。内装ではベッドの配置など細かな打合せが進んでいます。車椅子でも余裕を持って移動出来る更衣室、ベッドサイドにレイアウトする予定です。







庭の一角に置かれた鉢植え。この部分は傾斜方向の異なる屋根同士が接する直線の真下にあり、ゲリラ豪雨に見舞われると雨樋では雨水を捌ききれず水流が直撃してしまいます。そこで砂利を敷き植栽は鉢植えを並べて、雨が強くなる前に避難出来るようにしました。






雨上がりの西の空。



8月もあとわずか、日没の時刻も次第に早くなってきました。
季節の変わりめに向けて台風のように体調も迷走しないように、睡眠・食・運動と万全を期しましょう。



須坂 腎・透析クリニック

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