木々に囲まれた透析クリニック

オシロイバナが咲きました。
一番大きい株は白い花、他に赤、ピンク、黄色。
開花する時間帯が夕方以降のため花を楽しめるのは一部の方とスタッフのみ・・・です。


前回のブログでクリニックの透析状況の一部をご紹介しましたが、
今月もデータを集約してみました。

約50名の透析患者さん全体のデータです。
血流量は284.8±22.8ml/分と当初と比較して約30％増加しました。極めて清浄化された水「超純水」による透析液を使用することで血圧低下の頻度が減り、問題無く高血流を維持出来ています。高血流の体外循環は心臓の負担になるとの考え方もありますが、少なくとも超純水を使用する限り300ml/分程度では血圧への影響はない印象です。比較的若年で体格の良い患者さんについては、透析針を工夫して実血流が400ml/の分レベルまで血流量アップを検討しています。



血流量の増加は透析効率の増加に寄与します。

今月のKt/Vは1.98±0.36とこちらも以前と比較して約18%アップしています。透析時間の平均値はほとんど変化していないため、透析量の増加はほぼ血流量の増加に因るものと考えています。血流は心機能や血圧の状況を総合的に考えて個別に設定しているほか、ご希望の方には5時間以上の透析もご提案しています。



少し心配なのは猛暑で患者さんの食欲が低下気味なこと。

タンパク質の摂取量の目安となるnPCRは暑さが厳しくなる前よりも低下しています。8月の数値が少し上昇したのは、先月の透析回診でタンパク質の摂取を励行した効果でしょうか？今月も「もっと食べましょう！」と力説しましたので、来週の定期検査の結果では更に上昇していることを期待しています。


老廃物除去の要であるヘモダイアフィルター（透析におけるダイアライザーに相当、その作用原理から単に「膜」とも呼ばれる）にも種類があります。膜面積が同じ場合、老廃物の除去率が高いものは体に必要なタンパク質であり栄養状態の指標ともなるアルブミンの損失量も多くなります。しっかり食べて栄養状態を良好に保てば、この損失分のアルブミンを相殺することが期待できます。それにより老廃物の除去率が高いヘモダイアフィルターを安全に使用できる条件が整います。



オンラインHDFに関してはその優位性を示唆するこんなデータも出ています。

海外（スペイン）からの報告ですが、約900名の透析患者さんの半数を従来の透析、もう半数をオンラインHDFに切り替えて比較した試験です。その結果従来の透析を行った群に比較してオンラインHDFを行った群では死亡リスクが30％低下しました。当院では透析患者さん全員にオンラインHDFを行っています。
出典：High-Efficiency Postdilution Online Hemodiafiltration Reduces All-Cause Mortality in Hemodialysis Patients
J Am Soc Nephrol 24, 2013
http://www.medpagetoday.com/upload/2013/2/16/ASN.2012080875.full.pdf


以前は海外の透析関連の論文を見ると、我が国の一般的な数値に比べて血流量が非常に多い印象を持っていました。しかし小柄な方でも300ml/分で問題無く体外循が可能な現状と透析量の客観的な増加、そして各種データの改善と食事制限の緩和が可能であったことを考えると、高流量の透析はもっと一般化しても良いと思います。

須坂 腎・透析クリニックでは高血流量のオンラインHDFにより確実な透析を行います。確実な透析により食事制限が緩和されます。美味しく食事を摂ることで栄養状態が維持または改善され更に確実な透析に繋がる、これが当院の目指す透析です。その結果多くの透析患者さんが元気に長生き出来ること、それが当院の目標です。



高山村 山田温泉大湯

少し熱めですが肌に効く泉質♪
最近行っていない・・・週末にでも足を伸ばしたいと思う今日この頃。




須坂 腎・透析クリニック
http://www.kidney-suzaka.com