2013年11月27日

温度と湿度と感染予防


寒椿ー紅




寒椿ー白



いよいよ日も短くなり寒椿の咲く頃となりました。





百日紅の幹も一皮むけて





ヤマモミジの葉も紅く染まりました。




空気は乾燥し、暖房が入る屋内では更に湿度が低下するようになりました。湿度が低下するとインフルエンザに代表されるウイルス感染のリスクが高くなります。湿度が低いほどくしゃみや咳により飛散したウイルスの生存率が高くなるため、それらのウイルスを吸引し感染症が成立するリスクも上昇するわけです。湿度には単位体積[立方m]当たりに含まれる水蒸気量を重さ[g]で表す絶対湿度と、最大に水分を含んだ状態における水蒸気量(飽和水蒸気量)に対し何%充足しているかを示す相対湿度があります。家庭向け湿度計の表示は[%]ですからこれは相対湿度になります。飽和水蒸気量は温度により変化します。温度が高いほど存在できる水分の量も高くなるため、同じ湿度50%でも温度により絶対湿度は変わってきます。例えば10℃の飽和水蒸気量は6.8g/立方mなので(相対)湿度50%における絶対湿度は3.4g/立方mです。25℃では飽和水蒸気量は22.8gに上昇するのでその50%に相当する絶対湿度は11.4g/立方mになります。同じ相対湿度50%でも一辺が1mの立方体に含まれる水蒸気量である絶対湿度は10℃と25℃では8gも差があることになります。季節性インフルエンザの流行は絶対湿度と関係するとの報告もあり、冬場の環境管理には温度と湿度両面から考える必要があります。



写真左が加湿器、右は空気清浄機

当クリニックでは通年で空気清浄機を稼働させていますが、11月より1500ml/hの加湿能力を持つ加湿器を三台新たに設置しました。

室温25℃前後、湿度40-50%(絶対湿度10g/立方m以上)を目標に管理をしています。加湿器を作動させないと容易に湿度は30%以下まで低下し手洗い後の手掌や顔の皮膚がパサパサになってしまいましたが、導入後は透析室の空気が「柔らかく」感じられるようになりました。ちなみに湿度70%以上では細菌やカビの増殖が盛んになるため60%以上にはしない方が良さそうです。

温度・湿度管理の他にも患者さんおよびスタッフには手洗い、うがいを励行してもらい、原則院内ではマスクの着用をお願いしています。





11月の定期検査の結果から、平均血流量が312ml/min、平均spKt/V 2.11、平均β2MG 25.4 mg/dl、平均血中アルブミン 3.7g/dlでした。血流量、Kt/Vとも先月よりアップしています。β2MGは横這いであり更なる低値を目指すには血流量に加えて透析時間の延長も考慮する必要がありそうです。アルブミン値は分布幅が大きく高め維持の方と低め維持の方の両極が形成されている印象です。原疾患および尿中排泄量が関わるケースもありますが、長年続いたたんぱく制限食の呪縛から脱し切れていないと見受けられる方もいます。当院では10月から管理栄養士による栄養指導を始めました。ご本人だけでは無くご家族にも参加して頂き、現状に見合った食生活をご提案していきたいと考えています。




また更なる血流増加と透析効率アップを目指して、15G針を用いた血流量を実測しその有効性を検討しています。





室温25℃、湿度40-50%の透析室で働くスタッフ。
穿刺・回収時の運動量は正に肉体労働、機能性を高めたウェアを着用し日々頑張っています。

一例、動きやすさとデザインが両立。




もう一例、アンダーに長袖を着用することで温度管理も容易。





さて、もうすぐ師走

週末の飾り付けを待つヌードツリー(H=240)







紅葉から落葉、そしてもうすぐ雪の季節。

うがい・手洗い・人混みでのマスク!
そして適度な温度と湿度管理で風邪の季節を乗り切りましょう!!


須坂 腎・透析クリニック
  


Posted by Kidney at 18:27Comments(0)ひとりごと
QRコード
QRCODE
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 3人
プロフィール
Kidney