2015年09月23日

彼岸花の季節


ここ数年9月前半は残暑の厳しい時期との印象でしたが、今年はお盆過ぎから朝夕の涼しさが目立ち気温の高まりを感ずる間もなく初秋に至りました。近くの神社に灯籠が立ち、今宵はクリニックの前の道から神楽が通る音が聞こえています。





名前の通りお彼岸中に咲きました。曼珠沙華、リコリスと別名も多く一般的な朱色の他に白、黄色の園芸種もあります。中庭には黄色のリコリスもありますが、今年は9月に入り急に花茎が伸びその週に開花、彼岸の頃にはすっかり坊主です。




西洋アサガオは今が「旬」やっと十数輪の花を付けるようになりました。





百日紅も名前に負けずまだ花を付けています。




9月となり夏野菜の収穫もピークを過ぎて今月の透析患者さんのカリウム値も落ち着いてきました。皆さん自己管理がしっかり出来ており、先月の回診でカリウム要注意とお話しした方は、今月ほぼ全員許容内に低下しました。先月も触れたとおり余剰のカリウムは99%が腎臓から尿となって排出されます。腎不全の患者さんでは尿中排出が減少した分、便中への排泄が若干増加します。従って便秘になると便からのカリウム排出が低下するため血中のカリウムが上昇し易くなります。便通を良くすることも高カリウム血症を防ぐ手段の一つと言えます。



今月の管理指標の達成度です。

7月からレグパラ12.5mg錠を導入し今まで以上にきめ細かな調節が可能となりました。その結果i-PTH≦240の達成率が上昇しています。気候が良くなり食欲が回復しつつあるためか蛋白摂取量の指標であるnPCRも若干増加しました。一方で若干リンが高めとなっており今月の処方および透析条件の変更で来月にはコントロールが出来そうです。


日本透析医学会による慢性透析患者の食事療法基準(透析会誌47(5):287-291, 2014)では蛋白質の摂取量を0.9〜1.2g/kgとしています。身長1.6mの方であれば標準体重が約56kg(1.6×1.6×22≒56)であるため蛋白摂取量は1日50〜67gと計算されます。これはあくまでも週3回、一回4時間の「標準的な透析」を行っている患者に対する基準とされます。従って長時間透析(週18時間以上)や高血流化による高効率透析を行っている場合は更に上限を拡張することが可能です。どこまで増加可能なのかを規定する因子が血中のリンです。リンの摂取量は蛋白質摂取量と相関しており、蛋白質1gあたりリンの量は約15mgとされます。(蛋白質を60g摂取すると900mgのリンを摂取したことになります。)しかし食品によりリンの含有量が異なるほか、添加物に含まれる無機リンは非常に吸収されやすく食品由来の有機リンの2-5倍に相当します。よって添加物が比較的多く含まれる加工品(ソーセージ、ベーコン、ハム、蒲鉾などの練り物)や出来合いの弁当類はリンを上昇させやすく、摂り過ぎに注意が必要です。





紫式部(コムラサキ)の実も色づき始めました。





ニシキギを背景にナツツバキの紅葉。一部ですが葉も色づいてきました。




9月も下旬となり一層涼しさが増しています。季節の変わり目は体調不良が起こりやすい時期でもあります。手洗い・うがいで感染を予防、しっかり栄養を摂り適度に運動をして体調の維持に努めましょう。






須坂 腎・透析クリニック  


Posted by Kidney at 19:41Comments(0)ひとりごと
QRコード
QRCODE
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 3人
プロフィール
Kidney