2022年04月30日

行動制限のないGW



4月も終盤、クリニック中庭は初春から本格的な春の様相を呈してきました。




鮮やかなムスカリのブルー。




レンゲツツジ。




ユキヤナギ、秋剪定をせずに枝を伸ばしておくと花の付き方もゴージャスになります。この後アブラムシが大量に発生するため早めの農薬散布が必要です。




一重ヤマブキ、他にも八重、白ヤマブキがあります。



【亜鉛欠乏症】
腎不全では保存期から体内の微量元素である亜鉛の欠乏が起こりやすくなり、血液透析患者では高率に亜鉛欠乏が見られます。亜鉛が欠乏すると造血ホルモンへの反応が低下するほか、味覚障害、皮膚障害などの症状が報告されています。


(Nobelpharma HPより)


血液透析患者では約半数が亜鉛欠乏症の状態にあり、潜在的欠乏まで含めると約95%とほぼ全員が不足しているとの報告もあります。特に血液濾過透析(HDF)ではアルブミン漏出量が多いためアルブミンと結合している亜鉛も漏出し低くなりやすいと考えられています。



透析患者の定期検査で毎月測定可能な検査項目に亜鉛は該当しないため、当院ではこれまで味覚障害や造血ホルモンへの低反応例に限り測定を行っていました。しかし全例血液濾過透析(HDF)を行っていることや造血ホルモン(ESA)使用量が全国平均よりも高い事を踏まえて一部透析患者をピックアップして亜鉛値を測定してみました。
通常亜鉛濃度は80〜130µg/dlなのに対し
当院血液透析患者では55.2±18.2µg/dl (23~91, n=22)

約95%の患者の血清亜鉛濃度が基準値以下でした。1名のみ基準値内ですが既に亜鉛製剤の内服を開始しているケースでありほぼ全例が欠乏状態という結果でした。食が細く栄養指標の低い方で低値が目立つ一方で、栄養状態の良い方でも低値のケースがあり食事内容意外にも原因がある可能性が示唆されます。



食品から亜鉛を摂取しようとするには限界があり血清P高値のリスクもあるため亜鉛製剤の内服にて治療を行います。今後順に血清亜鉛値を測定し該当者には亜鉛製剤を処方する予定です。消化管からの亜鉛の吸収は銅の吸収と競合するため、特に偏食傾向の場合亜鉛補充により血清銅の低下から汎血球減少を来す場合があります。亜鉛補充を介した場合は血清亜鉛に加えて銅もモニターします。




クリニック玄関脇のジューンベリー




(東洋経済オンラインより)
新型コロナウイルス感染症の第6波が収束しないまま特に地方で再拡大がみられた後に、先週頃よりやや感染者数が収束傾向になりました。長野県の実行再生産数も1.0を切っています。とはいえ感染者数は高止まりのため当院スタッフの家族の通学先が学級〜学年閉鎖となった、当院利用者の入所施設で感染者が発生した等の報告が上がり都度対応を協議する毎日です。オミクロン株以降重症患者数は確実に減少しましたが、持病持ちや高齢者の感染では重症化リスクが未だ高いことも事実です。また若年感染者の後遺症も一定の割合で存在しておりかかったら損な感染症であることは未だ変わりありません。2年ぶりに行動制限のないGWを向かえようとしていますが、行動制限無し≠感染対策無しです。無為に感染を広げないため罹患しないように注意する意識は継続が必要と考えます。




3月の治療指標の達成度です。




月末が検査週のため集計が4月にずれ込みました。昨年秋からのビタミンD製剤の流通制限の影響をやっと払拭できた印象です。PTHの達成率が90%を越えました。新規導入患者が数名編入したため透析効率および貧血の指標でやや低下が見られますが、その他は概ね変化ありませんでした。4月の定期検査も最終週のため29日に個別の検査解析がやっと終了しました。週末全体的な統計をまとめてGW中に公開の予定です。




芝サクラと開花間近のライラック。



ハナミズキ二色。



感染が制御無しに拡大すれば
1. 強毒性変異株の発生
2. long-COVID
3. 医療機関での集団発生
のリスクが高まります。ウイルスの変異とワクチン接種の普及により当初と比べれば付き合いやすい感染症に変化してきました。しかしインフルエンザレベルの感染症とするにはまだ早いと考えます。


須坂 腎・透析クリニック

  


Posted by Kidney at 14:32Comments(0)ひとりごと
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