2021年03月26日

Too soft hummer and broken dance from the beginning


3月もまとまった降雪の無いまま春を迎えようとしています。宿根草や球根植物は放っておいても気温の上昇を感知して花を咲かせますが、中でも早いのがクリスマスローズと水仙です。




日陰がちな一角ではまだ小さな蕗の薹と少し遅れて咲き始めたクロッカス。





カタクリもひっそりと花を付けました。





3月も下旬になるとハクモクレンが開花、今年は花付きが良く青空に映えます。




花木では一番早く咲くサンシュユ。




コヒガンザクラはソメイヨシノよりも早く開花します。




平和な春の光景ですが昨年同様心安まらないのは中国武漢より広まった新型コロナウイルス感染症の動向です。

JX通信社/FASTALERT提供、YAHOOニュースより

3月21日で首都圏に発令されていた緊急事態宣言は解除されましたが、それ以前より感染者数は増加傾向に転じておりリバウンドが始まっていると考えられます。潜伏期間を考慮すると2週間延長された緊急事態宣言中に既に感染していたことになり、その時点で感染に対する抑止効果はほとんど無かったと言えるでしょう。



都道府県別の新規感染者数を見ても人口密集地で高い数値を記録しており、早晩全国的に第4波に至る可能性が高いと思われます。





東洋経済オンラインより

実行再生産数も3月初旬より1を越えており感染の拡大を示唆しています。




一時期低下していた病床利用率ですが入院治療を要する患者は増加しており、今後の推移によっては再度逼迫する局面も出てくるでしょう。




長野県においても3月に入り新型コロナ陽性患者は増加傾向に転じ、大規模事業所や入所型高齢者施設でのクラスター発生が確認されています。既に第4波が到達したと考えて良い状況です。

家庭内や事業所での感染や高齢者施設での感染の割合が多くなるとよく見かけるのが飲食での感染対策を軽視する意見です。家庭内、事業所の食堂や更衣室、喫煙室では濃厚接触が生じやすいため感染者がいればクラスター化するリスクが高い場面といえます。高齢者施設では介護のためどうしても対人間距離が接近し、利用者の状況によっては感染対策も徹底できない事情もありやはり高リスクな空間といえます。リスクの高い場面や空間でも感染を持ち込まなければクラスターは発生しません。尾身先生が指摘される見えないクラスターこそが三密環境において感染予防を怠った結果であり、その飛び火が家庭や企業や高齢者施設、更に別の飲食店など下流に燃え広がっていると考えられます。




宮城県では既に第4波と言える感染増加を認め、近隣の山形県にも波及しています。宮城県では2/23にGotoイートを再開しましたが感染拡大に伴い中止しています。Gotoイート再開と感染拡大との関係は現時点で不明ですが、会食は感染のリスクの一つであり関与した可能性は高いと考えます。


3月のわが国の感染傾向を振り返ると、緩すぎて費用対効果の低いハンマーをむやみに続けても感染は制御できずむしろ有害であることが分かります。十分な成果を得た上での緊急事態宣言解除ではなく、効果がないためやむを得ず解除せざるを得なかったことに留意しないとハンマー後のダンスは最初から崩壊していることになりかねません。

会食や移動そのものが問題なのではなく、感染予防しながらの会食や移動をしているかが大切です。ワクチン接種率が十分に上がるまでは個々が油断せずに感染予防につながる行動変容を持続することが求められます。






今月の治療指標の達成度です。





透析医会の指標では透析時間5時間以上を除く全ての項目で80%以上、iPTH以外は90%以上の達成度を維持しています。当院独自指標では血清アルブミン値が有意に増加しています。
β2MGの除去率は高性能膜を使用している群とマイルドな膜を使用している群と大きく分かれますが、平均は70%代後半に落ち着きます。以前は80%を越えていましたが後期高齢者が50%以上を占めるようになり、マイルドな膜の使用比率が高まり、長期的には除去率は低下傾向です。
マイルドな膜とはアルブミン漏出量が1g程度であり高効率膜の20-25%に抑えられており、血清アルブミン値の維持に効果があると考えています。またアルブミン漏出量に強く影響するTMPを低く保つように常に条件設定を調節しています。
高齢の利用者が多くなり透析効率の指標は長期的には漸減しています。逆に高齢でも元気でしっかり食事を摂れていれば、可能な範囲で最大の高率となるように条件設定します。栄養指標を最重点として毎月の検査結果を透析条件や処方内容にフィードバックします。




サンシュユ、コヒガンザクラ、ハクモクレンの競演。



ムスカリも咲き始めました。



わが国でも広がりを見せている新型コロナウイルス変異株については、既存ワクチンの有効性を示す検証結果が出てきました。

岐阜大学脳神経内科 下畑享良 先生のFBより

mRNAワクチンは感染力が高い変異株にも有効である報告です。ベクターワクチンであるアストラゼネカ社製ワクチンでは中和抗体量が低く感染予防効果は低いとされる一方で、中和抗体を介さないNK細胞やT細胞経由の免疫で重症化予防に寄与する可能性も議論されています。
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2102017
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2102214
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00785-7

ワクチンの普及まではもうしばらくかかりますが、それまでは感染予防のガードを下げずに日常生活を粛々と行いましょう。

Keep your guard!


須坂 腎・透析クリニック
  


Posted by Kidney at 16:17Comments(0)ひとりごと
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