2014年09月26日
秋の訪れとスキンケア
ここ何年か九月といえば残暑のイメージが強かったのですが、今年は急に涼しくなり下旬に近いこの頃では朝方暖房が必要な日もあります。それでも陽射しが強いと日中はそこそこの気温となり、透析室の温度管理に気を遣います。
昨年は10月半ばまで生い茂り毎日沢山の開花を見せていた西洋アサガオ「ヘブンリーブル-」ですが、今年はどうにも不作。気候の影響なのか、プランターにしたのが悪かったのか、理由は不明ですが葉の茂り方、開花数共に今ひとつです。発芽可能気温が若干高めで短日性も強いことから、余り早く蒔いてもいけないようで、来年はもう少し研究が必要です(汗)
一方で金木犀は今年もしっかり花芽をつけ始めました。
季節の変わり目は昼夜の温度差が大きく、そのためか血圧の変動、普段は顕在化しない目眩や頻脈発作の発生、軽症ながら呼吸器や消化器のウイルス感染が多い印象です。気候が落ち着くと血圧も落ち着いてくる場合が多いのですが、気温湿度ともに低下してくるとウイルス性疾患はいよいよ本格的になります。手洗い・うがい・外出時のマスクといった基本的な感染対策は今から励行したいところです。
さらに湿度が低くなると皮膚も乾燥し掻痒感を訴える患者さんが比較的多くなります。
かゆみは温痛覚を伝える神経と同じ経路で脳に伝達され、真皮から表皮の最下層(基底層)に分布する自由神経終末と呼ばれる部分で知覚されます。
乾燥や度重なる掻き壊しなどの刺激により自由神経終末がより皮膚表面に近いところまで伸長することが知られており、その結果皮膚感覚がより過敏になるとされます。これは「掻けば掻くほど痒くなる」メカニズムの一つでもあります。
つまり「かゆみ」をコントロールするには対症療法としてかゆみ止めを用いるのみならず、普段からのスキンケアで皮膚のコンディションを整えておくことも重要なのです。
これからの季節、化繊製の洗い布を使わないこと、石けんの適切な使用(使いすぎない)、適度な保湿剤の使用、居室の湿度管理などにも留意したいところです。そして痒くなったら掻く前に是非相談を!
スキンケアといえば当院看護師長が先月3日間に渡る「糖尿病患者のフットケア研修」を受講し無事修了しました。
今後透析室ではご本人では目の届きにくいフットケア(足のスキンケア)を順次体系的に整えて、泡足浴など比較的簡易に行えて効果が期待出来る処置も取り入れたいと考えています。
今月の管理指標の達成度です。
先月と比べて大きな変化はありません。
リン、カルシウムのコントロールは副甲状腺ホルモン(PTH)も含めて治療対象になりますが、それぞれの数値と生命予後との関連が強い順に優先順位が決まっており、リン>カルシウム>PTHの順になります。ビタミンD製剤によるPTHのコントロールではリン(P)が上昇しやすいため、両者のコントロールは二律背反する部分もあります。当院では高効率透析によるリンの積極的な除去、P吸着剤の使用、Pを上昇させずにPTHを抑制する薬剤(シナカルセト塩酸塩, レグパラ)の併用によりリンもPTHも90%近い管理指標の達成度を維持しています。また、今月はβ2MGが24mg/L台と低下しました。高血流透析としてKt/Vを上げても分子量の大きなβ2MGの除去効率にはあまり影響しないと言われています。透析時間も有意に長くはなっておらず低下の原因は絞りきれませんが、膜の選択や透析液の清浄化にきめ細かく取り組んできた成果と考えています。栄養状態の指標である血中アルブミンの低下も見られませんでした。
去年落ちた種から自然に発芽し今年も咲いたオシロイバナ。白一色ですが花の咲く夜間にはむしろ映えます。
中庭の隅にひっそりと咲くトレニアも、去年の個体から自然繁殖。
屋内では「ゲンペイボク」がやっと花を咲かせました。
昨年は葉だけだった「ショウキラン」も開花、奥は曼珠沙華。
一部の広葉樹は少し色付き始めました。
これは日本アサガオ、マクロレンズで接写。
来月にはクリニック主催で透析食の調理・試食会を予定しています。多くの患者さんが参加を希望され、管理栄養士さんとメニューの選定を行っています。また透析中の運動療法についてクリニック看護師が長野県透析研究会で発表の予定です。
食欲の秋、学問の秋、何をするにも良い季節、実り多い収穫の秋にしましょう!
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 16:03│Comments(0)
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