2015年11月27日
初雪ならぬ初みぞれの午後
此度の冬型の気圧配置は、北海道と中国地方に降雪をもたらすも中部はギリギリ大丈夫と高を括っていました。ところが昼過ぎになると雨粒が重く次第に白っぽくなり・・・初雪にはなりませんでしたが今季初のみぞれでした。となりの長野市は初雪になった様子です。
今月初旬に開催された長野県透析研究会で、当院看護師が発表を行いました。
当院の目標の一つである「しっかり食べる」ことの出来る透析治療、そのためには「歯のコンディション」も大切です。また近年では口腔環境の悪化により心血管病、誤嚥性肺炎、認知症のリスクが高まることが明らかとなり、多くの病院で周術期における歯科との連携も進められています。症状が無いと歯科受診もおこたりがちになります。拘束時間の長い透析患者さんでは尚のこと受診の足が遠のいてしまうことも理解出来ます。そこで透析患者さんの歯科受診状況について調べてみました。
定期的に歯科受診をされている方は全体の35.8%でした。従って半数以上の方が1年以上歯科受診をされていません。
未受診の理由で最も多かったのは「必要があれば受診する」つまり「症状がないため受診していない」方が半数を占めました。また交通手段がないことを理由に挙げる方も想像以上におられ、訪問歯科診療を行う施設との連携が必要と思われました。
歯科未受診の方に受診を促したところ5名の方が受診され、その全員に治療が必要な虫歯や歯周病が見つかりました。また5名全員が「必要あれば受診する」と回答しており、自覚症状がなくても安心出来ないことが分かります。良好な口腔環境の維持には定期的な歯科検診が必要ですね!
昨年の研究会にて当院が発表した運動療法に関する演題が、看護師部門の最優秀賞に選ばれました。演者は現在育休中ですが表彰式に参加してくれました。
「表彰状」です。
今月の管理指標の達成度
先月からこのブログとは別にクリニック公式ホームページ等でも公表しています。
ヘモグロビン(Hb)やリン(P)は90%後半の高い達成率を維持しています。前回、前々回比較的高かったPTHは今回上昇するケースが多く達成度が低下しました。PTHは高すぎても低すぎてもいけないため、ブレーキをかけるビタミンD製剤やシナカルセト塩酸塩を増やすとPTHは低下し、低下しすぎないようにブレーキを緩めると上昇するといった緩やかな変動を認めていました。今回は前回低下しすぎた両例のブレーキを緩めたため上昇傾向を示していますが、以前と比較して平均値も標準偏差も低下しています。つまり上昇しても極端な高値を示す症例が減り、変動幅も縮小したことになります。今月の処方ではブレーキをやや強めたため二ヶ月後の数値がどのように変化するか良く見極めたいと考えています。変動といえばβ2MGが上昇しました。
昨年も寒い時期に高めの印象を持っていたので、年間の推移を昨年と今年で比較してみました。透析液のエンドトキシンは検出限界以下で生菌も認めておらず、透析液の影響は調べた範囲で無いと考えます。CRPとも相関しませんでした。原因は不明ですが今後もモニターを続けたいと思います。
今月はシミュレーションキットを用いて心肺蘇生法の実地訓練を行いました。事務さんや看護助手さんも参加です。
さて、寒くなると美味しくなるのが根菜類♪
患者さんがご自分の畑で育てた立派な野菜をたくさん差し入れてくださいました。以前は3時間と短い透析時間で体調が思わしくなく畑仕事もやめていたそうです。当院で4時間のオンラインHDFを始めてから調子が戻り、素晴らしい成果を届けてくれました。標準的な4時間の透析ですが血流量を400ml/minとしてKt/Vは2.0を越えています。
晩秋から初冬に移る季節、寒さも厳しくなる折、皆様ご自愛下さい。
須坂 腎・透析クリニック
↑↑公式HP、一部改訂しました。
Posted by Kidney at 19:00│Comments(0)
│ひとりごと