2015年12月28日
去りゆく未年の師走
2016年もあと僅かになりました。冬至を過ぎたばかりで高度の低い西日がキーボードの手元を照らしています。
師走の恒例行事、患者さんとインフルエンザ予防接種に来たスタッフの子供が一緒になってクリスマスツリーを飾り付けていました。
更に当クリニック美術顧問の手ほどきによるクリスマースリース作りも開催されました。
材料に生木を使用した本格的なリースです。完成品を乾かしています。
シクラメンも用意して頂きました。花の少ないこの時期に華やかな景色になりました。
11月下旬とあるメールが届き、アメリカ東部在住の透析患者のゲスト透析を受け入れられないか打診されました。メールの送り主はアメリカのフレゼニウスメディカルケアのカスタマーサービス部門で、旅行透析の斡旋・仲介を行っているようです。幸いベッドが空いたため受け入れOKとし、当該患者の情報提供書もメール添付で届き万全の体制を整えていたのですが・・・結果はドタキャンでした(汗
予定の日に患者さんが来院されない旨をメールすると先方も慌てて依頼人の通院先に事情照会、どうもドタキャン歴がある御仁のようで最大級のお詫びのメールが担当者から届きました。("I am sorry・・・"ではなく"My sincere apologize・・・"、「すみません」ではなく「心よりお詫び申し上げます」に相当^^;)当院のみならず、仲介のエージェントも振り回された様子でした。
これに懲りず、当院では外国の方のゲスト透析も受け入れます!
今月の自主機能評価指標、治療指標の達成度です。
貧血管理においてはHb 11g/dl以上を維持出来ています。日本透析医学会による「わが国の慢性透析療法の現状2014年12月31日現在」によると、当院で採用している前希釈オンラインHDF群における透析前Hb濃度は10.88±1.24です。2015年当院では通年で11.0g/dl以上を確保し、達成率も常に90%以上でした。組織への鉄沈着を防止するために鉄剤の投与を厳格化したことで造血ホルモン(ESA)の使用量は若干増えましたが、調節が定常化したここ数ヶ月では週4000単位前後で推移しています。この使用量はDOPPSのデータと比較しても十分に低い数値です。貯蔵鉄の指標であるフェリチンは1月の段階で213±139g/mlでしたが、今月は64%まで減少し300g/dl以下の割合も98.5%まで高まりました。
「わが国の慢性透析療法の現状2014年12月31日現在」では前希釈オンラインHDFにおいて、リン(P)5.38±1.42mg/dl、アルブミン 3.65±0.37g/dl、インタクトPTH 178.1±168.9 pg/mlですが、当院の今月の平均値はそれぞれ4.9±2.3, 3.7±0.2, 164±86(11月)とリン、PTHはより低く、アルブミンはより高い良好な数値となっています。これを支えるのが高血流による高効率透析であり、全国平均血流量が228.2±41.0に対し当院では334±51ml/min, 全国平均Kt/Vが男性1.45±0.27, 女性1.71±0.31に対し当院では男性2.08±0.29, 女性 2.33±0.26、Kt/V>1.8が92.4%となっています。
今月は栄養障害リスクの指標であるGNRI (Greiatric Nutritional Risk Index)も算出しました。透析患者さん向けの基準値では91未満が栄養障害リスク大、91以上がリスク小と判断されます。全体平均は93.7±4.1でリスク障害が少ないとされる91以上は70.6%でした。栄養状態の解釈は総合的に判断するため一つの指標のみで結論づけるわけにはいきませんが、およそ3割の方に栄養障害のリスクが高い可能性が示唆されました。透析患者さんが最も長生き出来るとされるBMI(身長mを体重kgで二回割った数値)が24-25とされる一方で当院のBMIは21.3±3.1とまだまだ低く、一層の栄養状態の改善が必要と思われました。
玄関先のジューンベリーの葉、日ごとに少なくなりとうとうこの一枚だけに。
ヤマモミジの葉に粉砂糖を散らしたような霜も降りて、
クリスマスも過ぎました。
造園業者さんの剪定も終わり、中庭も冬の景色になりつつあります。
いよいよ氷点下の朝も多くなり、身近なところでも急性胃腸炎や咽頭炎が増えてきました。
手洗い・うがい・マスクと40%以上の湿度保持で感染を予防しましょう!
今日は玄関に、ささやかながら注連飾りを置きました。
来年も良い年でありますように!
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 17:33│Comments(0)
│ひとりごと