2016年02月26日

B型と春の気配

B型と春の気配
今年はまだ一度も除雪車の出動がなく2月を終えようとしています。雪かきで出来た駐車場の隅の雪山もいつの間にか無くなってしまいました。このまま大雪が降らずに春を迎えることが出来れば良いのですが・・・。写真はモクレンの花芽、わずかですが大きくなってきました。




B型と春の気配
2月初旬の中庭、早くも水仙の花芽が色付き始めていました。




B型と春の気配
この頃はまだ雪も残っていましたが、木の根元だけ雪穴になっています。春先の山でもよく見られるこの現象、「山歩き用語」(そんな用語があるのか定かではありませんが・・・)では「tree spot」「根回り穴」または「根開け」と呼ばれるそうです。よく見ると周囲の積雪の表面には小動物の足跡が見えます。





B型と春の気配
この頃では中庭の積雪もすっかり無くなり、いつの間にかスノーフレークが咲いていました。




今年は寒気の深まりが遅れてインフルエンザの流行も数週遅れています。長野県では2月10日にインフルエンザ警報が発令されました。
B型と春の気配
横軸の第4週(1/25〜1/31)の定点あたりの患者数が22.25と前の週よりも10人増えて、第5週(2/1〜2/7)には更に10名増えて33.80になりました。この定点患者数が10人を越えると「注意報」が30人を越えると「警報」が発令されます。例年、警報が発令されてから2-3週間が流行のピークとなるため注意が必要な時期と言えます。ちなみに第7週(2/15〜2/21)には41.43人となり県下全ての保健所管内で警報基準を上回ったようです。

この時期に猛威を振るうのは主にA型インフルエンザ、高熱や強い全身症状など典型的な症状を呈します。続いて温かくなってきた頃に流行るのがB型インフルエンザです。高熱にならないことがある、胃腸症状を伴うことがあるなど普通の「風邪」と区別が難しい場合もあります。それでも「風邪」と区別する必要があるのは感染力の高さにあります。つまりインフルエンザと認識せずに日常生活を続けた場合、ウイルスを周囲にまき散らして流行を助長させてしまうおそれがあるわけです。「体調がいつもと違う」と感じたら早めに医療機関を受診し、インフルエンザと診断されたら解熱して数日経過するまで自宅で十分に休息をとりましょう。

今月から新たに臨床工学技士が1名加わりました。新戦力に期待・・・現在インフルエンザで自宅療養中、来週復帰です!




今月の治療指標の達成度です。
B型と春の気配
外来導入の患者さんが増えてややバイアスがかかると思われる項目もありますが、概ね良好な数値を維持しています。今月から3.0平米のヘモダイフィルターを導入し、体格が良く従来の透析条件では透析量を十分確保できないケースで血清アルブミン値が概ね3.8g/dl以上を保持出来ている方で使い始めています。まだ使用開始してから間もないのですがKt/Vの上昇も一部見られており今後の推移を見守りたいと思います。

栄養状態の指標としてGNRIと%CGRを本格的に運用開始しました。GNRIにおいては80%以上の方が91以上と良好な数値を示しています、一方で%CGRは平均で100を下回り栄養を摂るだけではなく摂取した栄養を筋肉として保持する(同化する)対策の必要性を感じました。またアルブミン値やGNRIが良いのに%CGRが低いケースやその逆のパターンを示すケースも散見され、対応の個別化に役立つ指標と思われます。

2015年版の腎性貧血治療ガイドラインでは鉄補充についての最近の知見から補充の上限の目安としてフェリチン値300ng/ml以下が示されました。ESA抵抗性がフェリチン50以下(鉄欠乏状態)とともに300以上でも認められたことが根拠の様です。よって実際には100-150でのコントロールが実際的であり、欧米における500g/mlレベルまで許容されている状況とは一線を画すものと言えます。保存期腎不全においてESA、鉄剤ともに使用されていないケースでは鉄剤の補充を先行する、ESAが投与されている場合ではフェリチン100未満かつTsat20%未満で鉄補充を考慮、ただし鉄利用を阻害する病態が否定されれば「かつ」を「または」にしても良いとのことです。これはESA反応性の指標としてTsatはフェリチンよりも優れており、フェリチンは慢性炎症など鉄利用を阻害する病態により値が修飾されるためです。これまでも当院の腎臓外来ではある程度進行した腎不全では貧血に加えてTsat, フェリチンも定期的にモニターし軽度の貧血例では経口鉄剤の先行投与を行い然る後にESA製剤を併用していました。透析部門ではTsat, フェリチンともに毎月モニターしESA投与量の変化、炎症の有無を加えて総合的に判断して鉄剤の投与を行っています。また鉄過剰を回避するため鉄剤の投与期間を短めに設定し95%の以上の患者さんでフェリチン値300以下を維持しています。今回のガイドライン変更が予後にどう影響するのかは今後の調査課題として残っており、更に注視したいと思います。





B型と春の気配
本日の水仙、一部開花を始めました。




B型と春の気配
早春の花、サンシュユのつぼみも少し大きくなってきました。



春の気配を感じつつもまだまだ寒い日が続きます。
引き続き感染予防にご留意ください。


須坂 腎・透析クリニック


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Posted by Kidney at 21:12│Comments(0)ひとりごと
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