2017年01月30日

積雪の季節のお客様

積雪の季節のお客様
2017年(平成29年)が始まりました。昨シーズンは雪が少なく駐車場の管理が極めて楽でしたが、打ってかわって今年は数年ぶりの豪雪。ここ数日の陽気でやっと溶けてきましたが連日の雪かきで足腰が悲鳴を上げています・・・。




広範囲に降雪があるとクリニック中庭には普段にも増してお客様が「飛来」します。見ていると枝に残った木の実や、枝から落ちた白樺の枯れた雄花を啄んでおり、エサ不足で少しでも可食物がある場所を求めて集まるようです。

丁度食べきれなかったリンゴが残っていたので、空腹のお客様におもてなしして差し上げました(笑)
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早速、編隊で飛来するムクドリ。




積雪の季節のお客様
「スズメ」と一緒にお食事中の「ムクドリ」。昨年もブログに書きましたが近年は都市に適応して大量に繁殖し街路樹をねぐらにするため、騒音や糞害が問題となっています。一方で害虫駆除に役立つ益鳥とされていた時代もありました。また古書には「味よし」と記載されているようですが、実際は下処理と調理方法そして趣向によって食味の感想は人それぞれです。




積雪の季節のお客様
こちらは「ヒヨドリ」ムクドリとほぼ同じサイズ、知能の高さはカラスに次ぐレベルとのこと。仔飼にすると人に良く懐くため昔は貴族の間で重宝されたとか。ちなみに脂が乗っていてムクドリより美味だそうです。





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向かって左側のクチバシがずんぐりした個体は「シメ」このクチバシ(嘴)がロウ(蝋)の様な色をしていることから別名は蝋嘴鳥(ロウショウチョウ)。このクチバシは頑強で、草木の硬い種子をバリバリかみ砕くのに役立つそうです。




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見たままのネーミング「メジロ」スズメより一回り小ぶりで果実や花の蜜を好みます。初春には梅の蜜を吸うメジロの姿が、写真愛好家のシャッター欲をくすぐるそうです。




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メジロの手前は「ツグミ」冬鳥のため越冬地である日本では基本的にさえずりをせず、口を「つぐむ」ため和名が「ツグミ」になったとか。以前は食用として供され1970年代頃までは焼き鳥屋で一般的だったそうです。現在は禁鳥で食べることは出来ません(美味しんぼ21巻参照)




さて、今月の治療指標の達成度です。
積雪の季節のお客様



積雪の季節のお客様

今月は「お年越し」があり普段と食事内容が若干変わる月です。この時季ならではの加工品もあり採血結果への影響を心配しましたが、血清リン(P)の平均値はほとんど変化なく<6.0mg/dlの達成率も横這いでした。血清リン(P)については近年の研究成果から、なるべく低く維持した方が良いとされています。特に高Pは血管の石灰化のみならずFGF-23を介して心臓の線維化にも関与し、生命予後不良の一因とされています。(厳密に言うとFGF-23と生命予後の関連は透析導入前の腎不全に対して証明されていますが、透析患者を母集団としたデータはまだ出ていません。)一方血清リンと生命予後の関連は、透析患者においてカルシウムやPTH(副甲状腺ホルモン)よりも相関性が高いことが証明されています。(ただし低すぎてもいけません)今月より透析前のP<5.5mg/dの達成率も表示して常時80%以上を目標にします。

血清リンなどの小さな分子を除去するためには透析量を増やすことが重要であり、脱血量、膜面積に加えて透析時間の延長が有効です。増床後5時間以上の透析を選択される患者さんも若干増えて比率が6.7%から10.7%に増加しました。透析時間の延長は他にもメリットが多く今後も積極的に推奨したいと考えています。

今月からβ2MGについて透析後<5.5mg/Lおよび除去率>80%の達成率も加えました。これらは透析アミロイドーシスの発症を有意に抑制する数値目標です。今月も血清アルブミンは平均3.8g/dlを維持しました。平均年齢75歳前後で積極的なオンラインHDFを行っている施設の数値としては、全国的にも高いレベルです。



積雪の季節のお客様
1月22日松本で研究会がありクリニックからも臨床工学技士4名と参加してきました。オンラインHDFを受けている透析患者さんは増加傾向にあり、2015年に前透析患者さんの15%前後であったものが、最近では30%まで割合が上昇しています。各施設の発表を聞きながら感じたのは、オンラインHDFを受けていることが重要なのではなく、十分に効果的な透析条件の設定がされているか?、その設定はその人に最適か?この二点をクリアして初めて「しっかりとした治療」が実現出来るということです。先にも触れた小分子の除去がきちんと出来ていれば制限の少ない「美味しい」食事を摂ることが可能となり、栄養状態の改善・維持に繋がります。前希釈で40L以上の補液を行うと心血管疾患の全死亡率が低下する報告もあり、大きなサイズの毒素の除去効率が高いオンラインHDFならではのメリットを生かせば、比較的元気な状態で長生する治療が目指せます。一方で食事量が低下した場合は過剰透析にならない様に条件を見直して緩やかな治療にする事も可能であり、基本的にオンラインHDFの導入に禁忌は無いと考えます。




積雪の季節のお客様
今月の壁紙、華やかなクリスマスディスプレイから落ち着いた和のテイストに変わりました。
今年も「しっかり透析」して「しっかり食べて」可能な範囲で「しっかり運動」して元気で長生き出来る透析を目指します。


須坂 腎・透析クリニック


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Posted by Kidney at 18:34│Comments(0)ひとりごと
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