2017年05月29日

春過ぎて余韻にかぶる夏の風

春過ぎて余韻にかぶる夏の風
ゴールデンウィーク中は一般外来が休診となり、空いた時間でシャント造影やインターベンションを集中的に行いました。引き続き定期検査週、処方週と続き、あっと言う間に月末です。




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
庭の景色もサクラや山吹、レンギョウなどの早春の花から、ツツジ、フジ、サツキ等など晩春の顔ぶれに変化しています。




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
昨年秋に樹勢が弱まったキレンゲツツジを入れ替え、今年は良い花を咲かせてくれました。




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
ミツバツツジも昨年より花付きが良い様で、今年も花後にお礼肥を入れました




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
5月の始め、芽吹きだけだったギボウシも・・・




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
すっかり葉が開いて半日陰のグランドカバープランツらしくなりました。




今月iPS細胞を活用した研究により、神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に既存の白血病治療薬が有効である可能性が報道されました。ある病気に対し全く別の病気に対するクスリが有効であることを見つけるのは容易ではありません。偶然見つかるには確率が低すぎる一方、何百〜何千というクスリ候補をしらみつぶしに調べるには時間もコストもかかりすぎます。iPS細胞というとすぐに再生医療を思い浮かべたくなりますが、臓器の再生はまだ研究段階で越えるべき壁がいくつもあるとされています。もうひとつのiPS細胞の利用法がまさしく今回の治療薬探しであり一定の効果を認めました。
クスリの効果を見極めるには病気のモデルが必要です。ALSの患者さんの皮膚からiPS細胞を作成しこれを病気の特徴が最も現れる運動神経に分化させます。分化した神経細胞は基本的に増殖しませんが、もととなるiPS細胞を増殖させた上で神経に分化させることで、ALSの特徴を持つ運動神経細胞が大量に作成可能となるわけです。そして十分量確保されたALS患者由来の運動神経細胞に対し千数百種類の既存化合物を個々に作用させたところ、約30種の物質で病気を抑える可能性が認められその一つが白血病治療薬だったということです。
クスリも個々の病気の特徴や原因に合わせて設計する分子創薬が出来れば実にスマートですが、このように多くの物質をふるいに掛けて有効薬をみつける地道な努力もまだまだ続いているわけです。




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
今月はこんな天空ショーもありました。5月12日昼頃に北信地方の広い範囲で観測された「環水平アーク」です。






今月の治療指標の達成度です。
春過ぎて余韻にかぶる夏の風



春過ぎて余韻にかぶる夏の風
今月は自主機能評価全般も2017年版に更新しました(クリニックHP参照)。評価指標項目には、施設の状況・機能、医療スタッフ・組織の状況など多くの項目があり、治療指標はそれらの項目の一つに過ぎません。しかし治療状況を最も明確に示す指標でもあります。たまたま表示した月だけ良いのではなく、年間を通して良質な医療が継続していることを客観的に示すため、当院では毎月定期検査の結果を統計処理し更新しています。
今月は透析医会の定める指標は5時間以上の透析を除いて全て90%以上の達成率でした。特にリンとPTHのコントロールが安定化した印象です。栄養になるリン(蛋白質)と栄養にならないリン(添加物)を分けて、後者はなるべく摂らない様に呼びかけてきた効果も出てきたかもしれません。気になるのはβ2MGの除去率は80%以上を維持している一方で、数値そのものは上昇傾向にあることです。水質管理は問題無く、上気道感染など炎症反応のある方で高値を示す方が散見されたことから感染関連の上昇が疑われます。2ヶ月後の数値との比較が必要です。





春過ぎて余韻にかぶる夏の風
玄関脇のサツキ。




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
駐車場外側の敷地、昨年まではサツキでしたが、積雪で樹勢が弱ってしまうため背の低いコニファーに植え替えました。そのコニファーも十分育っていないので空き地に花を植えてみました♪




春過ぎて余韻にかぶる夏の風
中庭の奥にひっそり映える「ノボリフジ(登藤)=ルピナス」フジの花に似た花穂がフジとは反対に空に伸びることから「登藤」とも呼ばれるそうです。




春も終盤になり初夏と見紛う気温上昇が、暑さにまだ十分慣れていない体の負担となります。室内でも28℃をこえる気温上昇があれば積極的に空調を利用して体を守りましょう。


須坂 腎・透析クリニック


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Posted by Kidney at 21:37│Comments(0)ひとりごと
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