2018年05月30日
緑映える五月の庭
春の花木が一段落し新緑が映える時期になりました。早くも九州地方は梅雨入りとなり、恵みの雨は木々の緑を一層濃くさせそうです。一方で濃くなりすぎて欲しくない雑草も勢いを増すため、今のうちに制御(草取り)しています。
キンレンカ(ナスタチューム)一年草で秋には枯れてしまいますが、今年も定位置に植えてみました。可食植物とは聞いていましたが、先週初めて食べる機会を得ました。
仔牛とホワイトアスパラのチーズソース。両端の小さな葉っぱがナスタチューム、テーブルには小さなグラスにナスタチュームの花が生けてありました。
茅野市蓼科高原にあるイタリアン「L'essenza」、繊細な感性を持つ臼井シェフによる地元の食材をふんだんに使った料理を楽しめる秀逸なレストランです。
宿根草で育てやすいシラン、特に手入れをしなくてもこの時期に美しい赤紫の花を付けてくれます。
中空の餌箱に慣れたスズメ、時折餌の争奪戦が繰り広げられます。
リンゴの在庫も尽き、穀類の餌だけになりました。冬鳥の姿はありませんが、通年のお客様であるキジバトとスズメで賑やかです。
栄養状態と透析量について見直しを行い始めて約半年、特に血清アルブミンの低い方の血流量(Qb)を下げてみました。
血流量(Qb)を下げると当然透析量は有意に減少しました。(P<0.001)
一方、血清アルブミンは上昇したように見えますが有意差は検出されませんでした。(P=0.36)
β2MGの除去率もQbに強く依存し有意差をもって低下しました。(P<0.0001)
血清アルブミンと透析量の相関を調べると
r=0.13でほぼ相関しないことが分かります。
血流量を下げても栄養指標の一つである血清アルブミンは上昇せずむしろ透析量とβ2MG除去率が下がるのみ、これが今回の分析結果です。従って透析量を調節しても血清アルブミンに与える影響は少なく、別の改善方法が必要となります。透析時におけるアルブミンの透析液側への喪失に関しては、駆動圧となるTMPを低く抑えることが必要です。既に透析後半でTMPが上昇傾向のケースではヘモダイアフィルターの膜面積を大きくし、穿刺針や透析回路の見直しに着手しました。更に根本的な問題である経口摂取量や食欲の改善に関しても、透析液重炭酸濃度アップによるより積極的なアシドーシスの改善、摂食不良なケースへの栄養指導の強化、そして今回の結果を踏まえて透析量の増加で引き続き対応したいと考えます。
中庭の風景、マクロレンズで接写してみました。
ナデシコ、昨年植えた株が越冬して花を付けました。
水滴の付いたキンレンカ
シラン
紫陽花のつぼみ
ギボウシの葉
今月の治療指標の達成度です。
新たに数名の患者さんが導入となり今月から透析患者数が90人台となりました。3月に導入された方も徐々に効率を上げて来ています。日本透析医会の項目ではほぼ90%以上の達成率を維持出来ています。リン、カルシウム、PTH(パラサイロイドホルモン)はこの順に生命予後に与える影響が大きく、管理する順番も同じと言えます。今月はリンで95.3%、カルシウムで98.8%、PTHで92.9%、更に三者同時に管理目標以下になった割合は84.3%でした。ガイドラインでは3ヶ月毎に測定するPTHを隔月として、結果を定期処方に即時反映している効果と言えます。当院の定期処方はコロコロ変わると思われるかもしれませんが、検査結果をしっかり吟味している施設では変わらないことの方が不思議とも言われます。前述しましたが血流を下げて効率を落としてもアルブミンの回復に必ずしも結びついておらず、むしろβ2MGの除去率が低下しており、透析前のカリウムが極端に低い場合を除き血流はアップさせる方針に切り替えます。また掻痒感の強い方には更に抜けの良い高性能な膜に切り替える準備も進めています。
年々葉の広がり方が立派になるギボウシ、こちらは全景。
エントランス先のプランターは患者さん提供、いつもありがとうございます。
本格的に暑くなる前の今が、しっかり食べて栄養状態をアップさせる良い機会です。しっかり透析してしっかり食べて、栄養・筋肉の維持や改善に努めましょう。
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 18:35│Comments(0)
│ひとりごと