2018年06月23日
紫陽花の季節
梅雨入りしました。関東ではもう紫陽花の花のピークは過ぎてしっまたかもしれませんが、こちらでは丁度この時期に開花して梅雨の季節の花のイメージそのものです。写真は桜の木の周りに植えられた紫陽花。
鉢植えで頂いた紫陽花をクリニック中庭に植え直して毎年花を咲かせる株もあります。その一つガクアジサイ。
また初夏に花を付ける宿根草も多彩です。
涼しげなラベンダー。
白樺の根元、キク科のストケシア。
こちらはコムラサキの花。秋になる紫色の実は見慣れていますが、この時期に付ける小さな花も薄紫色です。
梅雨の時期が過ぎるといよいよ気温が上昇し夏らしい気候になります。暑気あたりで食欲が落ちてしまう時期でもあり、夏バテしない様に体を今から整える事も大切です。涼しい今のうちにしっかり栄養を摂ることもその一助になるでしょう。最近、透析回診をしていて感じたことの一つに、体重の増加を抑える目的で食事量を減らしている患者さんが少なからず居ることがあります。透析患者さんは尿量が少ないか全く出ない状態ですから水分は摂取した分だけ体内に溜まってゆきます。しかし尿は出なくても便は出るので水分以外に口から入った物は、栄養分が吸収された後に便として体外に出てゆきます。つまり摂取した物の質量のほとんどが排便されてしまうため、お粥など水分が多い物を除けば食べた分の体重増加は排便とともに相殺されてしまうわけです。暑くなると食欲が低下し素麺など水気の多いものを欲する傾向になります。すると栄養は不足し水分はより多くなり、ますます食欲が低下し食べられない状態になる悪循環が回ってしまいます。水分量を少なくした食事を十分に摂るように心掛けましょう。
また、便秘は十分な食物摂取の大敵です。クリニックでは大腸を刺激して排便を促す刺激性下剤の他に、便を軟らかくして排便を促す被刺激性の便秘薬の併用もお勧めしています。また便を軟らかくしつつ排便を促す新薬(胆汁酸トランスポーター阻害薬)も使えるようになりました。便秘を放置すると虚血性腸炎などの病気を誘発するリスクもあります。心配な方は早めにご相談を。
今月の治療指標の達成度です。
先月の検討結果により透析効率を下げても、血清アルブミン値などの栄養指標は改善しないことが明らかとなりました。従って低Kがない方の血流量を増加させたところ、Kt/Vも有意差をもって先月よりも増加しました(P<0.001)。血清アルブミン値は若干低下しましたが有意差はみられませんでした(P=0.2)。血流の増加で来月のβ2MGの除去率が増加するか興味深いところです。透析医会の項目に関しては概ね90%以上の達成率を維持できており、その他の指標も大きな変化はありませんでした。やはり筋肉量を示す%CGRが低いことが気に掛かります。筋肉は下半身から低下し転倒のリスクになります。転倒は大腿骨頸部骨折のおおきな原因でありこれを切っ掛けに寝たきりになってしまうケースもあります。しっかり透析をして老廃物を除去し、その分だけしっかり食べて筋肉量を維持・増加させ(貯筋)将来の寝たきりのリスクをしっかり低下させましょう。
紫陽花は真花と装飾花の集合体なので、拡大してみるとまた違った印象になります。
まるでパステルカラーのブーケ。
看板が新しくなりました、夜間は内部のLED照明で文字のバックが光ります。
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 15:04│Comments(0)
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