2018年07月25日

熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!

熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
盛夏に咲く花「百日紅 サルスベリ」でも今年の夏は盛りすぎです。




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
キジバトも羽を弛緩させて体を休めるほどの猛暑です。




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
ヒマワリも蕾が大きくなり花弁の色が見えてきましたが・・・朝夕の二回水を撒かないと葉がしおれてしまいます。




毎日のように熱中症による救急搬送のニュースが流れます。35℃を越える猛暑日は珍しくなくなりましたが、こうも連日続くと「災害的」と形容されてもやむなしです。熱中症は複合的な要因で発症します。多くの場合は発汗量に飲水量が追いつかず、体内の水分量が不足した結果(脱水症)十分な発汗量を確保出来なくなり体温調節機構が破綻、体内の深いところの温度(深部体温)が上昇して様々な症状を引き起こします。

熱中症に関しては注意すべき事が幾つかあります。
1. 発汗しても蒸発しなければ体温は下がらない
湿度が上昇すると汗が乾きにくくなります。汗は蒸発することで体表の熱を奪うので(気化熱)蒸発が滞ると体温調節がうまく出来ません。よって湿度が高いところでは熱中症のリスクも高くなります。

2. 水分を摂っていても熱中症になり得る
十分に水分を摂り発汗が確保されても、高温状態に暴露され続けると熱中症になる危険性があります。特に今年のような極端な高温状態が連日のように続く環境下では発汗があっても体表温度が十分下がらず、深部体温の上昇を招くため注意が必要です。また、透析を受けている患者さんは尿が全く出ないか、かなり減少しているケースが多く見られます。尿が出ないということは本来排尿で失われる水分が体内に貯留されているため、多少の発汗では脱水症になりません。つまり尿量が一定以下の透析患者さんでは、熱中症を疑う症状が出ても水分を補給するのではなく積極的に涼しい場所に避難し、濡らしたタオルを首に巻くなど深部体温を下げる工夫をすることが肝要です。

3. 屋内にいても熱中症を発症する
実に9割近くの方が屋内で熱中症を発症しています。猛暑日が続くことで建材が熱を吸収し夜間に屋内に排熱するため、夜は屋内の方が温度が高くなることもあるようです。エアコンを上手に使い屋内の温度を安全域にコントロールすることが大切です。特に居間や寝室など長い時間過ごす場所では身近な場所に温度計(出来れば温湿計)を設置して、28℃以下になるようにエアコンの設定温度を調節します。くれぐれも設定温度を28℃に固定しないようにしましょう。




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
梅雨時から彩りで目を楽しませてくれた紫陽花もそろそろ終盤。



熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
ギボウシの花は今が盛り。




今月の治療指標の達成度です。
熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!


熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!



4月の検討結果により透析効率を下げても、血清アルブミン値などの栄養指標は改善しないことが明らかとなり、可能な範囲で血流量を増加させました。6月の段階でKt/Vが有意に増加しましたが、今月はβ2MGの除去でも有効な結果が出ました。
透析前β2MG値は4.3%低下、透析後β2MG値は13%低下、除去率は2.8%上昇です。血流量を増やした群に限ればそれぞれ、4.3%低下、20%低下、4.8%上昇で血流量の増加がβ2MG除去により影響した事が分かります。透析アミロイドーシス発症予防となる透析後β2MG<5 mg/Lの割合は5月の38.1%から69.7%に上昇、除去率>80%は41.7から61.8%に上昇しており臨床的にも有効と考えます。
血清アルブミン値はほぼ横這いで、血流増加の負の影響は認めていません。透析医会の項目に関しては概ね90%以上の達成率ですがPTHの上昇傾向がみられ、早速今週の定期処方で対応を行いました。



熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
スズメの親子でしょうか、口移しで餌を与えています。




野鳥やハトの餌に入っている種子が勝手に発芽することがあり・・・
熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
蒔いた覚えのない蕎麦の花。




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
雑草と思って引き抜いたらトウモロコシの発芽だった。




暑くなり庭の花も少し寂しくなりましたが、
熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
ムラサキの班が入った桔梗




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
小振りの紫陽花など、小さな花器ににさして手洗い場に置いています。




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
ギボウシの花




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
咲き始めのサルスベリ




熱帯の文月、災害的な猛暑に注意!
玄関のコニファーをオリーブの木に変えてみました。




来月も高い気温がしばらく続きそうです。
脱水症の回避や室温管理の他に、しっかり食べて栄養状態を維持すること、規則正しい生活で寝不足を避けることなど、適切な体調管理で過酷な季節を乗り切りましょう。


須坂 腎・透析クリニック


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Posted by Kidney at 18:20│Comments(0)ひとりごと
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