2019年01月29日
雪降りて巷に流行るインフルエンザ
平成が終わるところの西暦2019年が始まり早くも1ヶ月が過ぎようとしています。今年も残り11ヶ月になってしまいました(笑。
今季は雪が少なく敷地管理も苦労なく年明けを迎えましたが、1月終盤になりやっと寒気の流れが冬本番。中庭の積雪が根雪となり、除雪によって駐車場の隅に雪の山が常設になり春まで残りそうです。
地表が雪に覆われると啄む餌が少なくなるのか野鳥の個体数が増えます。通年のお客様スズメ。
冬鳥もチラホラ来るようになりました。一番手はヒヨドリ。
患者さんから「鳥用に」とリンゴを大量に頂いており、今季もリンゴのなる藤棚となっています。
今年はインフルエンザの流行開始がやや遅れました。A型とB型が同時に流行し始めた昨シーズンと異なり、今季はほぼA型で現在ピークの真っ只中です。1月下旬から2月上旬のピークを過ぎると罹患数が減少に転じ、寒気が緩む頃にはB型も散発することになるでしょう。
今季からゾフルーザという抗インフルエンザ薬が処方可能となりました。従来のタミフル、リレンザとの違いは・・・
1. 細胞内でのウイルスの増殖を抑制(それまでは増殖したウイルスの細胞外への放出をブロック)
2. その結果、ウイルスの検出期間が短縮(ゾフルーザ24時間、タミフル96時間)
と製造元では強調しています。一方で・・・
3. 症状が改善する期間はタミフルと同程度
4. 耐性ウイルスの発現(全体で9.7%、小児で23.3%)が治験段階で確認
5. 薬価が高い(一回の治療でゾフルーザ約¥4,800, イナビル約¥4,300, タミフル約¥2,800, 三割負担ではそれぞれ¥1440, ¥1,300, ¥840)
6. 今季初めての上市であり治験で確認出来なかった副作用が顕在化するリスク
1回の服用で簡便であることを理由にゾフルーザを処方或いは処方を希望することは、現時点では若干危険であると個人的には考えます。
効果が確実で十分な使用経験があり、しかも安価な薬があればそれを選択する方が賢明です。タミフルは今季から後発品(ジェネリック)の使用も可能となり自己負担額は更に安くなります(3割負担で概ね¥500弱)。
インフルエンザへの対応は個人レベルと集団レベルで分けて考える必要があります。予防接種を受けることは集団レベルでの感染制御に意味があります。また発熱があれば自宅療養とし適切な時期に医療機関を受診し、必要な期間自宅療養を継続する事が大切です。無理をして出勤することはウイルスを拡散し集団発生のリスクを高めることになります。
今月の治療指標の達成度です。
お年越しがあり食事摂取量が増えたためか栄養指標が全て若干の改善を見せています。昨年もこの傾向がありましたが翌月には低下に転じており、このレベルの食事摂取量を維持する事が大切です。もう一つの年越しの影響は血清リンの上昇です。お節料理では練り物など添加物の多い食品が多く、多くの方で血清リン値の上昇がありました。元々低めにコントロールしているため多少上昇しても許容の範囲である方が大部分ですが、リンの上昇により副甲状腺ホルモン(PTH)の上昇を合併したケースが散見されました。全て来月の定期処方で対応予定です。
昨年10月にアルブミン漏出量の少ないマイルドな膜に変更して3ヶ月経過しました。その結果栄養指標である血清アルブミン値(Alb)は翌月には有意差を持って上昇し今月も継続しています。またβ2MGの除去率は数%低下しました。血清アルブミンの上昇もβ2MG除去率の低下も継続的に認めていますが、マイルドな膜に変えたのはほぼ高齢者でありβ2MG除去よりも栄養状態の改善を優先する方針で経過を見守りたいと思います。
手洗い・うがい・人混みでのマスク
十分な栄養と十分な睡眠
室内の温度と湿度の管理
感染予防も併せて行いましょう。
一足早く早春の景色。
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 17:02│Comments(0)
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