2020年02月24日

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19

2月になっても一向に積雪の無い日が続いています。2013年に開院してから初めてのことであり約20年ぶりに北信に戻ってきたそれ以前の5年を含めても記憶にありません。雪かきの労が無いのは良いことですがカウンターで災厄が起こらないことを祈るばかりです。




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
クリニック中庭の風景は例年ならば1ヶ月先の景色です。水仙は開花しクリスマスローズも葉の下でいつの間にか花を付けていました。ユキヤナギの芽も開き始め、サンシュユの花蕾も色づいてきました。




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
ユキヤナギ




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
サンシュユ




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
冬期に飛来するヒヨドリやメジロ、ムクドリも今年は遅めの登場でした。雪がないので他に餌が豊富にあったのかもしれません。今年はメジロの個体数が多く4羽ほど一辺に現れた時もありました。春らしい色合いで1番の人気者です。




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
ヒヨドリ




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
ムクドリとメジロ




降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
スズメとメジロ






降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染源を辿れないいわゆる疫学的リンクの切れたケースが出始めており国内感染期に入ったと考えられます。最大流行国である中華人民共和国におけるデータの信頼性が乏しいため臨床像について曖昧な部分がありましたが、国内感染者が増えるに従い今回の感染症の全体像も明らかとなってきました。

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19


・感染力はインフルエンザ並みであり今後全国的に流行し、国民の半分程度は感染する可能性がある。その後、数年を掛けて全ての国民が感染する可能性も想定される。(2009年の新型インフルエンザが速やかに通常の季節性インフルエンザと同じ扱いになったのと同じで、免疫保有者が増えれば通常の風邪もしくはインフルエンザと同レベルの感染症に移行する可能性が高いと考えられます。)

・クルーズ船の調査からは感染者のうち約50%は無症状であり、症状のある患者の約5%が重症化する可能性がある。

・武漢では肺炎患者の15%が重症化し4〜5%が死亡、最終的には致死率は15%程度になる可能性も指摘されているが、医療体制や危機管理が不十分な状態で爆発的に感染拡大がおきた影響が大きく、病原性よりも社会的要因が致死率を上げている可能性が高い。

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
・国内感染者数が増加する一方で大半の感染例は無症状から感冒程度で軽快し、治癒後は免疫保有者となり感染の収束に向かう。一方で高齢者や透析・糖尿病・呼吸器疾患など基礎疾患のあるヒトが感染した場合、10〜15%前後の致死率が予想される(上記グラフ参照)。しかし新型コロナウイルス感染以外の高齢者や基礎疾患のある患者の肺炎(医療・介護関連肺炎)の死亡率も15%程度であるため、COVID-19の致死率が異常に高いとは言えない。
(グラフは忽那賢志先生より引用)

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
参考:85歳以上の高齢者の肺炎による死亡率は性別にかかわらず若年成人の1000倍以上、90歳以上の男性に限れば死因の第1位。
(医療介護関連肺炎診療ガイドラインより)

・治療法、予防法(ワクチン開発)が確立されるまで、高齢者、基礎疾患のあるヒトの感染を可能な限り予防し重症化のリスクが高い発症例は速やかに対応する事が必要。その一方で医療機関が機能不全に陥らないように受診の適正化も同じく必要。
(大阪大学 吉森保 先生の見解を一部引用)


これまでの経過から新型コロナウイルス感染症は
・今のところインフルエンザ程爆発的に市中には広がっていない
(市中感染化したこれからの動向が重要)
・クルーズ船、病院や施設など閉鎖空間では感染拡大しやすい
・免疫力のある若年層では重症化はまれ
→感染しても1週間以内に80%は軽症のまま治癒します。
・高齢者や基礎疾患持ちでは10-15%の致死率
(とはいっても他の肺炎と同レベル)

一般的な対応策は
・人混みに行かない
・不要不急な集会は可能な限り延期
・咳エチケットや手洗いの徹底
・乾燥対策(気道粘膜の乾燥により感染リスクが上昇)
→マスクは気道の保湿の意味では有用
・厚労省の公表した受診の目安を参考に医療機関への過度な受診者集中を避ける
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
・ただし高リスク患者は要注意

今後期待される対応
・アビガン(ファビピラビル)等RNA鎖ウイルスの増殖抑制作用薬の有効性の証明
・患者発生率を低く保てば武漢の様な医療崩壊は回避可能
⇔逆に医療体制を上回るアウトブレイクが生じた場合、最悪武漢レベルの惨事も起こりうる
・半年以上先になるがワクチンの開発と接種優先順位の制定

まとめ
・個人や組織で出来る一般的予防策を徹底して感染数の増加を緩やかにかつピークを低くする
・更に過剰受診の抑制で医療機関の機能崩壊を防ぐ(これが意外に難しい)
・高リスク患者はには早めの対応
(厚労省の目安では微熱が2日継続で行動)
・そして重症化のリスク患者に十分な医療機会を確保する

結論:高リスク患者の死亡率の抑制と医療機関の機能維持が大事。


※ COVID-19に関する記事は2020年2月24日現在のものです。今後の状況の推移によっては内容と齟齬が生ずる場合があります。


一般の方のマスク着用によるウイルス感染予防は懐疑的です。
降雪の無い令和初の如月とCOVID-19
サージカルマスクはφ5µmの粒子まで侵入防止に効果があるとされます。花粉が30µm、飛沫が5µmなのでここまでが辛うじて防御できる範囲でしょう。一方、細菌は約1µmでありウイルスは0.02〜0.1µmとかなり小型で容易にマスクを通過します。結核病棟で使用されるN95マスクでさえ0.3µmの微粒子を95%以上捕集できますが完全ではありません。
人混みでの飛沫吸入予防には効く可能性はありますが何ヶ月分も備蓄する程の価値は皆無です。
気道粘膜の乾燥を防ぐために使用する価値はありそうですが、その程度と考えた方が良いでしょう。



降雪の無い令和初の如月とCOVID-19

降雪の無い令和初の如月とCOVID-19

今月の治療指標の達成度です。
今月も栄養指標の有意な低下は無く、血清アルブミンも≧3.6g/dlを維持しています。平均の血清リン値も低下傾向にあり、年越しが終わり食生活も通常に戻った印象です。血清Kはむしろ低めの方が目立ち、特に透析前4.5mEq/L、透析後3.0mEq/L未満の方には積極的な野菜や果物の摂取をお勧めしています。その際に気をつけることは、一度にたくさん食べないこと、小分けにして少しずつ摂る事を併せて伝えています。例えばリンゴなら丸かじりではなく三等分して三食で食べるなど。カリウムは圧倒的に細胞内に多く分布し、血液を含む細胞外液中のカリウムに対して緩衝装置の役割を果たします。しかし緩衝速度が一定のためカリウム濃度の急上昇に対しては無力です。従って一日のカリウム摂取量が同じでも小分けにすることで血液中濃度の急上昇を防ぎ安全に摂る事が可能となります。
生野菜や果物に多く含まれるビタミンC。体内でのコラーゲン合成に必須であることから皮膚や粘膜のアンチエイジングに効く等と広告が出ていますが・・・evidenceはありません。高濃度ビタミンC点滴を自費診療で行う医療機関もあるようですが、効果については同じく信用性に欠けます。コロナウイルス対策に・・・と謳うHPもありましたが最早インチキの領域です。
話は戻って透析患者のK摂取。高めの方が予後が良いとの報告が昨年出てきましたが、ビタミンCとの関係は触れていません。むしろカリウムが高くなるくらいしっかり食べている人が長生きできる位の解釈が妥当でしょう。

COVID-19は免疫力の低下した患者でより重症化しやすい傾向です。残念ながら免疫力をアップするクスリや特定の食品はありません。もしそう謳う商品があれば眉唾物です。免疫力を保持するに当たり十分な睡眠と十分な栄養に勝るものはありません。


須坂 腎・透析クリニック


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Posted by Kidney at 15:22│Comments(0)ひとりごと
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