2021年02月24日
ダンスとワクチンと変異株
2月19日の朝のクリニック中庭、予報に反して意外と雪が積もりました。
昨シーズンはほとんど雪がなく今季はカウンターでひどい積雪も覚悟していましたが、根雪になるような降り方は無くこの日の雪もすぐに溶けてしまいました。
2月も終わりに近づきこのまま雪に悩まされずに春を迎える事が出来れば良いのですが。
サンシュユの花芽も少しずつ大きくなってきました。枝のかなり高い所にカマキリの卵鞘があります。積雪が多い年ほど高い所に作られるといわれますが、流石にこの高さまで積もることはありません。
いつの間にかスノードロップも開花。
温かい日が続いたためかユキヤナギの花芽も動きはじめました。
Google COVID-19感染予測(日本語版)より
新型コロナウイルス感染症の第三波は全国的に収束傾向にありますが、首都圏では陽性者の低下率が減少しています。種火が残ったまま非常事態宣言解除となる可能性もあり、解除後の感染者数の推移に注視が必要です。今後国民の生活に一定の制限を掛けて重点的に感染抑制を目指す「ハンマー」から感染を制御しつつ日常生活を送る「ダンス」に移行する事になりますが、昨年の第二波ではこの「ダンス」で失敗した印象が残ります。Goto事業が感染拡大に直接影響したか否かに明確な結論は出ていませんが、少なくともそれまで形成されていた行動変容が緩み、人の移動、気温の低下等と相乗的に作用し第三波の引き金になったこと
は否めません。従って今後の感染状況を考える上で必要な要素は、
1. 適切なダンスの進め方
2. ワクチン接種への正しい理解と推進
3. 変異株の動向
にあると考えます。
1. では非常事態宣言解除やコロナ疲れによる気の緩みに進学や就職・転勤など年度末の人の移動も影響してくると思われ、個人個人が感染を避けるための行動を持続させることが大切です。
2. 毎日のようにテレビの映像で注射の場面を見せられると注射自体が怖い物、危ない物と刷り込まれてしまいそうです。どんなワクチンも副反応はつきものであり、現在までの知見で新型コロナワクチンの副反応発生率は特段高いものではありません。既に重症化に対する予防効果も明らかとなっており、正しく理解し接種人口を増やす事が感染対策上極めて重要です。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210221-00223746/
3. 何れの変異株も感染性が高まる可能性が指摘されており、変異株が蔓延した場足従来の予防策では制御出来ない可能性も指摘されています。わが国では現時点で幸い散発のみのため、帰国者・入国者検疫を徹底して当面は全例シーケンス解析まで行うことが望ましいと考えます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210207-00221408/
世界的にも変異株の流行が制御できておらずワクチン接種もやっと始まったばかりです。5ヶ月後に海外から大勢のヒトが移動して行われる五輪が本当に安全に開催出来るのか、冷静に考えれば結論は一つです。
今月の治療指標の達成度です。
先月と比較し大きな変化は見られません。血液透析導入間もない方が数名編入されたため全体でもKt/Vが少し低下しました。今後ゆっくり効率を上げてゆきます。透析導入前の末期腎不全期は蛋白質、カリウムの制限が最も厳しい時期です。一方で浮腫が強い場合を除いて水分制限はありません。しかし血液透析導入後は蛋白質、カリウムの制限は少し緩み、水分は尿量の減少に伴い強くなって行きます。これらの移行を適切に行わないと栄養不足、水分過多といった弊害が出てしまいます。当院では早期から管理栄養士による栄養指導を行い、その後も毎月の検査結果を説明する際に栄養状態、蛋白質やカリウムの摂取状況をお伝えしています。
相変わらず冬の中庭は鳥の世界です。今年のツグミは専ら林檎狙い。
メジロとスズメ、ヒヨドリに追われる前に。
キジバト、今年は食するチャンスが無かった(笑。
クロッカスも咲き始めました。
スノードロップをマクロレンズで接写。
医療施設における適切な新型コロナウイルス予防策として以下の項目が挙げられます。
・早期の覚知
・隔離
・適切な感染予防策の実施
・適切な環境消毒
(岡秀昭、新型コロナウイルスCOVID-19特講2021より)
透析施設では腎不全の高齢者が多いためクラスター化のリスクが高く感染予防の徹底が極めて重要です。「早期の覚知」では症状のある人を速やかに検知して「隔離」措置を取ります。しかし透析日であれば施設内で透析を行う必要があり状況に応じて個室透析または衝立で隔離したベッドでの透析を行います。同時に発症から3日目(濃厚接触から7日目)の最も偽陰性例の低いタイミングでのPCR検査を検討します。院内で迅速に検査できるように昨年12月PCR遺伝子解析装置(AutoAmp®)を導入して現在稼働中です。しかし新型コロナウイルス感染症は発症前3日から感染力を持ち無症候性感染者からの感染も高率に起こるため、標準予防策を徹底し環境消毒も適切に行う必要があります。当院では利用者の安全を十分に担保するために油断なく感染対策を継続します。
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 17:03│Comments(0)
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