2024年06月21日

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
「梅雨の頃に咲くイメージがある紫陽花、今年は水無月半ばを過ぎても梅雨入りの発表は無く紫陽花の見頃の方が先にやってきました。」と午前中に文章を書き始めていたら、お昼のニュースで関東甲信越の梅雨入りが発表されました。今年は夏至の日に梅雨入りです。



おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
同じくシャラの花も雨滴を纏うイメージが強いのですが晴れた日に開花しました。翡翠玉とも呼ばれる蕾は数日、開花してしまうとほぼ1日で散ってしまう儚い花です。



おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
小紫の花も開花、実の色よりも淡いながら同系色の小さな花弁です。


信州も程なく梅雨入りしそう→本日(21日)梅雨入りですが日中の気温は真夏日となる日もあり、既に初夏の環境となりました。休日外来では熱中症の搬入も出始めている様子です。


「熱中症と脱水症」

熱中症は高温環境に長く滞在するなどして体温が上昇し、更に体温調節機能のバランスが崩れて体内に熱がこもった状態です。体温上昇に対して人体は皮膚浅層の血管を開いて皮膚温度を上昇させる、加えて発汗を促し気化熱によって皮膚面からの熱の放散を促すなど調節機能を働かせます。この機能が低下すると熱中症を発症します。

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々

熱中症は多くの場合脱水症を合併します。発汗量に対して水分摂取量が不足すると汗の産生量が低下し体温調節機能も低下する悪循環に陥ります。また汗には水分の他ナトリウムなどのミネラルも含まれるため、何リットルといった多量の発汗に対し水分のみを補給すると血液中のナトリウムが低下し筋肉の痙攣や意識障害など、緊急を要する状態に陥るリスクがあります。発汗に対し一般的に水と塩の両方を摂取することが推奨される所以です。ただしきちんと食事が取れていれば、軽度の発汗に対して過剰に塩分を摂る必要はありません。特に心臓や腎臓に病気のある方や高血圧の方の塩分摂取は慎重である必要があります。
先に触れた通り熱中症は人体の体温調節機能の破綻が原因であるため、脱水が無くても発症します。また水分だけ補給していれば発症を回避出来る訳でもありません。特に尿量が低下または全くない透析患者さんでは元々尿として排泄されるはずであった水分が丸々体内に残されているため、相当過酷な発汗を生じない限り脱水になる事は希です。

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々

それでも高温多湿の環境に長く滞在することで熱中症を発症するリスクがあります。透析患者さんの熱中症予防で大切なことは高温多湿な環境をなるべく回避することです。熱中症の過半数は屋内で生じていることから、居間や寝室など滞在時間の長い環境では適切にエアコンを使用して室温を28℃以下にコントロールすることを推奨します。ここで大事なのは室温を28℃以下にすることであって、エアコンの設定温度を28℃以下にすることではありません。室内環境により設定温度と実際の気温は乖離するため、室温計を設置してその気温を目安にエアコンの設定温度を決めることが肝腎です。

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々



おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
桔梗、中庭の待合室から見やすい位置に新たに寄せ植えしてみました。


今月の治療指標の達成度

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々

おそい梅雨入りと水無月の頃の花々

透析医会の指標ではHb, Pの達成度がやや低下しました。前者では併発症の観血的処置のため低下した例が数名、ESA減量に伴い経過観察中に10.0未満に急に低下した例数例と原因が明らかなためESAの増量および必要なケースでは鉄剤の併用で対応済みです。後者では普段余り高値にならない方で漸増しているケースが散見され栄養指導を含めた原因検索を勧めています。血清Pを低下させる目的で蛋白制限を強化することは栄養面から得策ではありません。蛋白質を十分に摂取しながら、透析効率を十分にアップする、適切にリン吸着薬を使用する、そして最も大切なのは栄養にならないPつまり添加物由来のPをなるべく回避すること、そのためにはリン/蛋白比の少ない食品を積極的に用いることです。
おそい梅雨入りと水無月の頃の花々



おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
患者さん家族からお借りしている孔雀サボテン(紅)


おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
同じく(白)。クリニック玄関先に置かせて貰っています。



おそい梅雨入りと水無月の頃の花々
木々の色も新緑から深緑に変わりつつあります。


高温多湿の季節が始まります。適切な環境管理で今年も乗り切りましょう。

須坂腎・透析クリニック





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Posted by Kidney at 15:49│Comments(0)ひとりごと
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