2023年11月23日

霜月の色


11月初旬のクリニック玄関脇、手前はジューンベリー、奥はハナミズキの紅葉。ジューンベリーは新しく伸びた枝の葉はまだ緑色で下方の常緑樹とともに配色のコントラストが綺麗です。



中庭ではギボウシの紅葉が見事。



青空に伸びる紅葉も絵になります。


11月下旬となり初雪も降りました。落葉が進み景色もやや寂しくなりますが、まだ彼方此方にこの時期ならではの色が残ります。

名残の小紫。



今年は実の付きがまばらな南天。



鉢植えのピラカンサ。



ひっそりと咲くサフラン。



寒椿のつぼみと花。

もうすぐ雪が降り限りなく色合いが減るであろう中庭に霜月の色を探してみました。



透析患者と低リン血症

本来腎臓から排泄されるカリウムとリンは腎機能の低下した透析患者では血中の濃度が高くなり易く、十分な透析量を確保するとともに食事制限や吸着薬で上限を超えないようにコントロールします。カリウムに関しては心臓の電気的活動に直結しており、特に高カリウム血症は時に即時心停止のリスクがあるため注意が必要です。また低カリウム血症も心臓の機能に悪影響を来すため透析後の採血で3.0mEq/Lを下回らないように生野菜や果物の摂取を勧める、食思不振の際には透析の効率を下げるなどして対応しています。一方で高リン血症はただちに自覚症状が出現しないため高カリウムほど即時対応の必要性は高くないのですが、継続すると血管の石灰化→動脈硬化、左室肥大、痒みの悪化と身体への様々な悪影響を来すことが明らかとなっており適正内でコントロールすることが大事です。また高リン血症が長引くと二次性副甲状腺機能亢進症も悪化し、やがてホルモン分泌細胞の薬物感受性が失われ外科的治療の対象にもなってしまいます。
逆に低リン血症は身体にどのような影響をもたらすのか、心電図所見との関連から低リン血症も回避した方が良いことが11月12日松本市で開催された第71回長野県透析研究会(大会長:長野市民病院腎臓内科、掛川哲司先生)の特別講演会で東邦大学の常喜信彦先生から興味深い知見とともに示されました。




(日本透析医学会会誌より)

以前より血清リン値は栄養指標と相関し蛋白質摂取量を示すnPCR、筋肉量を示すクレアチニン、栄養指標のアルブミン、適正体重の指標BMIと正の相関を示すことが明らかにされています。つまりリンが低い場合は低栄養状態が存在する可能性があります。常喜先生の講演ではカリウム同様にリンも心電図に影響し高リンも低リンも悪影響を与える可能性が高いことに言及されました。心臓の筋肉が興奮する脱分極と元に戻る再分極の二相のうち、再分極にあたる期間は電気的刺激に敏感でこれが長くなると不整脈が発生するリスクが上がります。



これを心電図上QTc時間といい500msec以上、変動幅60msec以上が危険域とされます。高リン血症同様に低リン血症(P<1.3)でもQTc延長のリスクが指摘されリンの下げすぎは体にとって良くない可能性が示唆されました。ちなみに低カリウム血症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症でもQTcは延長します。リンもカリウム同様に上下至適範囲に調節する必要がありそうです。



今月の治療指標の達成度です。




新規導入の方が複数編入となりKt/VやPTHに若干の影響が見てとれますが、全体としては先月と比較し概ね変化はありませんでした。当院ではカリウムやリンなど主要なミネラルのバランス以外にマグネシウムや亜鉛などの微量元素についてもモニターを行い必要に応じて補正を行っています。




11月12日長野県透析研究会が開催された信州大学医学部の敷地での一コマ、イチョウの絨毯。



夕陽を浴びる白樺。




常緑樹ツゲの生垣に落ちた落葉、遠近法の構図で。少し幻想的な絵になりました。


先日、休日診療の当番で診療を行いましたがほぼ発熱外来でした。40名弱の受診者のうち6割強がインフルエンザA型、1割弱が新型コロナ抗原陽性でした。それ以外は急性胃腸炎または発症から間もなく抗原偽陰性が疑われるケースが散見されました。報道でも取り上げられていますが呼吸器系の処方薬に出荷制限がかかっており、鎮咳薬、去痰薬、解熱薬、抗ウイルス薬の流通量が低下して必要な処方が受けられない状況も出てきそうです。
基本的な感染予防対策を行い
「なるべく感染しない」「なるべく感染させない」行動と配慮が必要に思います。


須坂腎・透析クリニック
  


Posted by Kidney at 16:48Comments(0)ひとりごと
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