2015年08月28日
日が短くなってきました

お盆が過ぎて急に朝晩が涼しくなってきました。日没の時刻も次第に早くなり、気付くと虫の声も響くようになりました。遅ればせながら庭の百日紅が開花しました。
西洋アサガオ(ソライロアサガオ)

普通のアサガオよりも開花期が遅れる花で、これからが見頃です。
夏も終わりに近付いてきましたが、この時期は果物も野菜も美味しい季節です。特に野菜はキュウリやトマトなど、生で食べる機会の多い物が旬となります。そのためこの季節はカリウムが高くなりやすい時期ともいえます。カリウムは主に細胞の中に存在するため、生の細胞の塊である生野菜や果物の摂取により多量に吸収されてしまいます。そして体内のカリウムは腎臓から99%排泄されるため、腎機能が低下すると貯まりやすく血液中の濃度が上昇します。また細胞内外のカリウムイオンの濃度差により心臓のペースメーカー細胞が周期的に興奮するため、この濃度差が破綻すると心臓は適切な脈拍数を維持出来なくなります。つまり高カリウム血症は最悪の場合、心臓が停止してしまうのです。透析の患者さんではカリウムの摂取量を通常の方の半分程度に抑えるとコントロールがし易くなります。全く食べていけないのでは無く、旬の食材を少量ずつ味わって頂くやり方がよろしいようです。生野菜や果物以外にも肉や魚にもカリウムは含まれます。しかし肉や魚などのタンパク質の摂取を抑えてしまうと栄養状態の悪化にも繋がるため、当院では余程の高カリウム血症で無い限り野菜や果物でカリウムをコントロールしています。
今月の自己管理指標の達成度です。

主要な項目はほぼ90%以上の達成率を維持しています。夏場は食欲が減退して蛋白摂取量(nPCR)もやや低下していますが、血清アルブミン(Alb)は維持出来ていました。食欲が低下した際は栄養補助食品を適宜併用して栄養状態の維持に努めるように働き掛けた効果と思われました。
「月見草」

いわゆる待宵草ではなくて本物の「月見草」。患者さんから頂きました。日没前後に花が開きます。

一夜花のため翌朝には萎んでしましますが、純白の花弁は淡紅色を纏います。

少しずつ過ごしやすい気候になってきました。猛暑による疲労の蓄積を解消し、季節の変わり目に備えて、しっかり栄養、しっかり運動、そしてしっかり透析を続けましょう。
須坂 腎・透析クリニック
Posted by Kidney at 16:26│Comments(0)
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