2021年12月29日

武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走

武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
12月最初の寒波でいきなり積もりました。先週末は数年に一度の大寒波で更に年末年始も冷え込みが強くなる予想、今季は厳冬の予感がします。急な降雪も困りますが晴れた日は放射冷却で外気温がかなり下がるため室温の維持に難渋する日も出てきます。



武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
積雪前の光景、ヤマモミジが色づくのは12月中旬以降、桜に至っては枯葉が落ちる前に雪が積もりました。お陰で冬剪定は年を越えてからに延期です。四季の境界が曖昧になりつつあるような気がします。



武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
12月始めに第1透析室の透析用コンソール20台を入れ替えました。これは入替前夜の様子です。



武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
東レ社製の最新型TR-10EX、世界的な半導体不足もあり今後出荷調整がかかる可能性も踏まえてやや早めの導入を決めました。液晶画面が大きくなりましたが視認性の改善に結びついていないのが難点。



武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
入替後の第1透析室。




武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
開院以来8年9ヶ月使用した先代機TR3000MA、まだ使用可能ですが経年劣化で同時多発トラブルが起こる前に引退です。




今月の治療指標の達成度です。
武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走


武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走

日本透析医会の指標については11月のiPTHを除いて90%以上の達成率、特に貧血管理と透析量(Kt/V)については99%を維持しています。iPTHについては出荷調整による経口ビタミンD製剤から静注製剤に切り替えたことが影響しましたが、該当例では今月の臨時採血で静注製剤の容量調節の効果を確認し概ね良好な数値を得ました。当院独自指標に大きな変化はありませんでした。

日本透析医学会による「2020年12月31日現在のわが国の慢性透析療法の現状」によると、慢性透析患者の平均年齢は69.4歳で年々増加傾向にあります(2010年66.2歳、2000年61.2歳)。最も割合が高い年齢層は男女ともに70〜74歳で65歳未満の患者数は2012年から、70歳未満の患者数は2017年から減少しており、慢性透析患者数の増加は70歳以上の患者数の増加によるものといえます。また透析導入患者の平均年齢は70.9歳(男性70.2歳、女性72.5歳)とこちらも年々高齢化しており(2010年67.8歳、2000年63.8歳)、最も割合が高い年齢層は男性が70〜74歳、女性は80〜84歳です。

このように、慢性透析医療を受ける患者の多くが70歳以上の高齢者であることが分かります。しかし高齢者と言っても非常に元気な方から複数の基礎疾患を抱えADLが低下しつつある方までそのスペクトラムは広く、個々のケースに対応した透析が求められると思います。当院では尿毒素除去を求める高効率な透析から栄養状態に配慮した緩やかな透析まで幅広く個別に対応したいと考えています。


武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
彼岸花の葉に落ちた紅葉。



2019年末に中華人民共和国武漢から始まった新型コロナウイルスのパンデミックは2年目を向かえて新たにオミクロン株という変異型が流行の主体となってきました。従来株よりも感染しやすくワクチンによる感染防止効果も減弱化していることが現在までに分かってきています。一方で重症化に関してはデルタ株よりも低い可能性を示唆する報告が出始めていますが、感染初期のレポートであり慎重に吟味する必要がありそうです。

武漢の「邪風」まだ止まずも出口の予感もする2021年師走
(忽那先生の記事より)


以下、免疫学の権威である阪大宮坂先生のFBからの引用です。
「新型コロナ患者はインフルエンザ患者に比べて、急性腎障害が1.52倍、重度敗血症が4.04倍、肺塞栓が1.50倍、深部血栓症が1.50倍、脳梗塞が1.62倍、急性心筋炎が7.82倍、不整脈と心原性突然死が1.76倍、肝障害が2.65倍と、明らかに二次的疾患の発症頻度が高いことがわかりました。さらに、新型コロナはインフルエンザに比べて、人工呼吸器使用率は4.01倍、ICU入室率は2.41倍、死亡のリスクは4.97倍でした。つまり、新型コロナ感染症はインフルエンザ感染症に比べて、合併症を起こすリスクだけでなく、重篤な帰結、特に死亡のリスクが高いことがわかります。
 ただし、以上の統計はアメリカのもので、肥満を含む生活習慣病の程度が日本よりずっと強い社会での数字です。しかし、高齢者の死亡率は日本もアメリカもあまり変わらないことから、以上のことは、日本の高齢者についても概ねあてはまると考えたほうがよさそうです。」


新型コロナは未だ感染すると損をすることが多いウイルスであることは間違いないようです。医療者のブースター接種は既に始まり今後は高齢者・持病のある方、そしてそれ以外の方へと順を追って接種の対象が広がります。ワクチンはかなり有効ですが世界各国での状況を見ると、それだけでは感染のコントロールが出来ないことも明らかです。飛沫・エアロゾル感染への対策(三密を避ける、換気を十分に行う)など感染に対する個人個人のガードを下げないことがまだまだ大切であると思います。オミクロン株の市中感染が広がりつつありますが、感染者数に対して医療機関の逼迫度、重症化率等に歯止めがかかればそれは出口が見えはじめてきたことになるかもしれません。油断をせず見守りたいと考えます。

皆様、良いお年をお迎え下さい。


須坂 腎・透析クリニック



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Posted by Kidney at 15:27│Comments(0)ひとりごと
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