2022年09月30日
彼岸花の季節
毎週末日本列島に接近し上陸した台風や乱高下する気温。9月下旬というのに今日は冷房を入れています。落ち着かない気候ですが毎年この時期に開花する彼岸花は何事もないように今年も咲きました。
いつもは真っ先に開花する黄色の彼岸花。何故か今年はやや遅れ気味でした。
新型コロナ感染症の第7波がやっとピークアウトしました。オミクロン株にも対応した二価ワクチンの接種の段取りも決まり次のピークを如何に抑制するか考える時期でもあります。
阪大、宮坂先生のFBからの引用です。
新型コロナワクチンには接種から一定期間は感染防止効果がありますが、残念ながらその効果は経時的に低下します。一方で重症化予防の効果は比較的長く維持されます。その結果ワクチンにより死亡率が低減することが明らかとなっています。どれだけの効果があるのかを分かりやすく示したのがこの図です。
例えば60台の場合ワクチン接種が2回未満であれば62人に1人が亡くなります(死亡率1.6%)が2回接種で120人に1人(同0.8%)3回目接種で520人に1人(0.19%)と3回目接種を受けた人は2回目未満の人よりも8倍強死亡率が低下しています。それでもインフルエンザの死亡率よりも7倍強高い死亡率であり「ただの風邪」と呼ぶにはいささか凶暴過ぎると言わざるを得ません。
政府も「with コロナ」という変な和製英語を使い始めましたが、個人的にはこの厄介なウイルスと平和に共存したいとは思いませんし出来るとも思えません。とはいえ中華人民共和国のように極端な「no コロナ」も現実的でないと考えます。欧米諸国のように多くの犠牲者を許容して集団免疫(ワクチン+罹患によって獲得するハイブリッド免疫を含めて)をつかの間獲得した国々とわが国を同等に捉えて、マスク不要を唱えることも時期尚早です。どのように感染をコントロールしてこのウイルスを乗り越えるのか「beyond コロナ」が最適解であり、第7波のピークの高さから得られる教訓は社会を回すには感染予防とセットでないと十分な効果は得られないことに尽きると考えます。
今月の治療指標の達成度です。
新型コロナウイルス第7波も酷暑も一段落して透析室も感染対策強化モードから通常モードに戻りました。暑さによる食欲低下から栄養指標が低下する夏場ですが今年は大きな低下は見られず、今後過ごしやすくなる分上昇を期待したいところです。昨年の今頃から発生したビタミンD経口製剤の出荷調整も一段落しCa, Pバランスの調節も幾分安定した印象です。
当院では誕生月に亜鉛の測定を行っていますがやはり多くの患者で欠乏状態であり、補充療法を行う頻度も高まりました。ごく希に亜鉛の経口補充を開始してから数ヶ月で貧血が進行し汎血球減少も伴う例を経験します。特に食事摂取量の極端に少ないケースや強い偏食のケースに頻度が高く血清銅が低下しています。消化管からの亜鉛吸収と競合する銅吸収のバランスが悪くなり銅の吸収が低下して結果銅欠乏性貧血を来したわけです。国内では純粋な銅補充のための薬剤がないため輸入品のサプリメントを使用して何れも軽快しています。銅欠乏は亜鉛補充の際に留意する必要があります。
彼岸花が終わると次は紅葉の季節ですが最近は温暖な日が続くと葉がきれいに色づかないまま枯葉になってしまうこともしばしばありました。今年はどうなることやら?
須坂・腎透析クリニック
Posted by Kidney at 14:08│Comments(0)
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